根管治療で大事な洗浄液

投稿日:2023年9月4日

カテゴリ:根管治療

根尖性歯周炎は歯の根の中に細菌が繁殖し炎症が生じている状態です。

治療法は、根の中の細菌を取り除く根管治療という方法になります。

根管治療は機械的清掃と化学的清掃があり、この二つを併用することで治癒へ導きます。

基本的には機械的清掃で歯の内部の汚れを物理的に除去します。

しかし、根の中は複雑で人それぞれ様々な形を呈しており、ファイルなどの道具で綺麗にするのは限界があります。

そこで殺菌効果の強いお薬を使用して化学的に洗浄をすることで細菌の数を減らします。

この洗浄液ですが、一番一般的に使用されているのは次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。

次亜塩素酸ナトリウムは、強い殺菌効果と有機質溶解作用があり、これが根管治療にとって非常に有効です。

機械的に取り除くことができなかった、歯髄組織や削りかす、感染物質、細菌などを溶かして綺麗に洗い流してくれます。そして無機質は溶かさないので、歯が溶けてしまうことがないため、全国、むしろ世界中の根の治療で使われています。

しかし、強い効果があるが故に、お口の中に漏れてしまうと、火傷のような症状を口腔内の粘膜に及ぼしてしまいます。使用はとても慎重に使う必要があります。

濃度を調整したり、量を減らしたり、ラバーダム防湿を行い、漏れないように根管治療をすることがとても重要です。

当院では、根管治療をするときはラバーダム防湿を行なっているので、まず口腔内に漏れることはありませんが、それでも、お口の中で次亜塩素酸ナトリウムを使うときは、溶液の量などに気をつけながら使用しています。

実際の根管治療をしているところをマイクロスコープで記録したものです。

歯の内部、根の中が見えています。古いガッタパーチャ(充填材)が見えています。

まずはこれを除去していきます。

超音波の道具を使用して古い材料を綺麗にしていきます。

ある程度綺麗になったら細い洗浄針で洗っていきます。

この時に次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用します。

多くの微生物やウイルスに対して殺菌作用を有し、歯髄などの取り残しなどを溶かしながら洗浄できるので、洗い流したり、超音波で撹拌させながら使用します。

ラバーダムをして口腔内に流れないようにし、慎重に使用する必要があります。

根の中が綺麗になったのを確認します。

しっかり水分を取り除き、新しいガッタパーチャで封鎖していきます。

封鎖したところです。

緊密に充填できました。このあとは土台を立てて被せ物の工程に移ります。

私は根管治療はマイクロスコープ、ラバーダム、CTなどの機器がなければ高い成功率を出すことは不可能だと感じています。

 

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