被せたばかりなのにまた腫れてきた歯

投稿日:2023年4月7日

カテゴリ:根管治療

他院で何度も根の治療しているのに歯の痛みや歯茎の腫れが治らないという主訴で当院に来院された患者さんがいらっしゃいました。

以前の医院では数年前に根の治療を行い、症状が落ち着いたので銀の被せ物をしたところ、数ヶ月後に再度痛みと歯茎の腫れが出てきて、被せ物を外さずに再度根の治療を行い、治療を終え経過を追っていたところですが、再度症状が出てきたため当院に来院されました。

患者さんのお口の状況です。

マイクロスコープで記録しました。

銀の被せ物の真ん中に白いセメントで塞いであります。

歯茎の検査やレントゲンなどの診査を行いました。

歯茎は一部ポケットが深くなっており、レントゲンでは根の周りを覆う黒い影がありました。

根の治療を行う前に現状を説明し、治療計画、介入することでのメリット、デメリットなどについて説明しました。

被せ物を外したところです。セメントを除去していき内部へアプローチしていきます。

セメントを除去したところです。

この上部を徹底的に綺麗にすることがとても重要です。

虫歯の取り残しがあるのに根の中だけ綺麗にしても治りません。

虫歯染め出し液などを利用して徹底的に綺麗にしてからラバーダムを行って根の内部へ進めていきます。

染師えきを使用して虫歯を取り除きながら内部を確認していくと歯にヒビが入っているのが見つかりました。

根の先に黒い影がある場所と深いポケットがあるところもこのヒビがあるところと一致するので、ヒビが感染の原因の可能性が高いです。

根の治療は細菌の除去を目指します。虫歯の取り除き、殺菌効果のあるお薬で洗っていくことで治癒を図ります。しかし、ヒビが入っていると、いくら内部の汚れを除去しても外部から細菌が侵入してしまうため治癒しません。

他院で何度も何度も治療しても治らない原因はこのヒビに気づけなかったからでしょう。マイクロスコープを使用していない歯科医院だと、ヒビに気づけることはなかなかないです。

(マイクロスコープは肉眼の2〜30倍の拡大率があります。)

根管治療ではこのようにマイクロスコープは必須です。

精度の高い根管治療を希望の方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。