特殊な形の奥歯。樋状根
投稿日:2023年1月21日
カテゴリ:根管治療
樋状根という根の形をご存知ですか?
歯科医師以外はご存知ないとでしょう。
奥歯の根の特殊な形を樋状根と言います。
樋状というのは、雨樋、軒樋に由来しています。
英語ではC-shaped root canal と表記されています。
アルファベットのCの形に見えるからそう呼ばれています。
日本人はこの樋状根の割合が他の人種に比べて多いようです。
樋状根との関わり
樋状根と関わるのは、奥歯の根管治療の時が多いです。
根管治療で根の内部を綺麗にしていきますが、一般の根管治療だと樋状根になかなか気づくことができず、またわかっていたとしても、道具の問題で清掃性が不十分でその歯の予後はとても悪くなります。
樋状根を治療する上で私が思う必要なものはCT、マイクロスコープ、超音波チップ、ラバーダム等でしょう。
まずはCTで3次元的に観察します。
小さいレントゲンでもなんとなくはわかるのですが、樋状根は樋状根の中でも色々タイプがあるので、様々な角度から観察する必要があります。根管と根管がどのようにくっついているのか、根尖はどちらに湾曲しているかなどを見ていきます。
マイクロスコープは歯科用の顕微鏡で肉眼の2〜30倍ほどの拡大率で見ることができます。そして強い光で視野を明るくする事ができます。お口の中はかなり暗いです。そして奥歯は最も暗いところに位置します。肉眼で暗いところで見ても中は全くわかりません。手指の感覚でできる先生もいらっしゃるのかもしれませんが、明るくして倍率を上げて見た方が確実性が上がります。マイクロスコープで汚れの取り残しがないようにし、根管と根管のつながりを確認して治療を行っていきます。
超音波チップは削りすぎず、ちょうどよく汚れを取っていく事ができるツールです。細かい形態の修正を行い、かつ洗浄液に振動を加えることで高い洗浄効果を発揮させる事ができます。
ラバーダムは、根管治療に必須の道具です。特に奥歯ではとてもメリットが多いです。唾液の侵入や、舌や頬の排除、洗浄液の流出、道具の落下を防いでくれます。
樋状根の治療には様々な器具が必要です。もちろん、道具だけでなく、歯科医師の知識や技術も必須です。
これが樋状根の根管治療を終えて最終的なお薬を入れた状態です。
綺麗なアルファベットのCであることがわかると思います。
樋状根や特殊な歯の形態の根管治療でお困りの方で調布市の歯科医院をお探しのかたは柳沢歯科医院にご連絡ください。
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