詰め物が取れてしみる。虫歯に歯茎が覆ってしまった場合の治療
投稿日:2022年12月24日
カテゴリ:虫歯治療
虫歯などで歯に穴が空き、その部位が歯茎に近い場合、歯茎が穴を覆ってしまうことがあります。
そのような場合は、覆っている歯茎を排除して虫歯を削る必要があります。
その時に困るのは、出血するということです。もちろん、出血といっても歯よりも小さいサイズの話ですから、怪我した時や鼻血のようにダラダラと血が噴き出ることはありません。しかし、ジワジワ血が滲むと、詰め物をするときに物がくっつかなくなってしまいます。
虫歯治療でつめた物が取れることがありますが、適合精度の問題やセメントの問題、銀の詰め物や白いセラミック、樹脂など様々種類によって違いますが、どれも唾液や血液によって濡れている場合は、接着することは不可能です。
水に濡れている状態でセロファンテープが接着しないように、歯と樹脂やセメントを接着するときは可能な限り乾燥状態にする必要があります。
お口の中ではそれがとても難しいです。唾液と出血との戦いが常に存在しています。
この写真は一番奥の歯の詰め物が取れて虫歯になっています。他院で詰め物をした歯が何度も欠けて、しっかり治して欲しくて来院されました。
そして汚れがついて、歯茎が覆い被さってきているのがわかります。この歯は神経が残っているので、しみる症状が出ています。
まずこれを見て、すぐに治療に介入せず、検査をしていきます。
神経が正常な反応を示すのか、歯髄電気診断と冷試験を行なっていきます。
検査をせずに経験で神経を取ったり、神経を残すのは私は難しいと考えています。
神経をとる行為は、後戻りのできないことなので、しっかりと検査して様々な情報を元に介入するべきです。そして、逆に神経が反応していないのに介入するタイミングを遅らせすぎるのもよくないです。
少しでも多くの情報を持った状態で患者さんと相談して治療方針を決めるのようにしています。
汚れをとり、虫歯を削って歯茎も除去しているところです。
出血しています。この状態ではしっかりとした乾燥状態にはなりません。
歯茎の出血を抑える処置を行い、歯と歯茎の境目を明瞭にする糸を入れました。
これによって歯の縁をしっかりと判断できます。拡大しているので当たり前のように感じますが、とても小さいのではみ出さないように精度よく適合させるのはとても難しいです。
そして、唾液と呼気を吸引しながら、舌と頬を抑えてくれる器具を入れています。
ここでやって樹脂を詰める準備が整いました。
今回は樹脂の材料を使用し、虫歯で削れている部分を一度補強します。
補強が終わったところです。わざと歯より白い色の詰め物をすることでつめた場所をはっきりさせています。この日は少し形を整えて終わりです。この後は形を削って被せ物にしていきます。
このようにただ取れたものを治すだけですが、虫歯の取り残し、取れることを防止することが歯を保存することにつながります。
虫歯治療、歯を長持ちさせたいと思っている方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。
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