歯の根の治療の難しさ(再根管治療)
投稿日:2022年3月19日
カテゴリ:根管治療
根管治療
根管治療については何度もブログで書いていますが、今回は少し根管治療の難しさについて書きます。
根管治療は、大きく分けて二つあり、虫歯が大きくなり神経をとって根の中を封鎖する初回の治療と、一度根管治療した歯が再度感染した場合に行う再根管治療があります。
再根管治療は、以前封鎖した材料を全て取り除き、汚れているところを再度除去して、洗浄して、封鎖していきます。被せ物が取れた、一度治療した歯が痛い、腫れたなどの状態のときに行う治療の一つで、日本の歯科治療ではかなり多い治療の一つです。
この歯は根が3つあり、材料が三箇所詰まっています。
切削器具や超音波の器具などを使用して、除去しています。この封鎖している材料はガッタパーチャと言い、ゴム性の材料です。以前治療した先生が詰めたものです。
器具を使って一部を除去した画像です。
ぽっかり穴が空いています。このように綺麗に汚れを取る必要があります。
この一度詰めたガッタパーチャを取る作業が根管治療ではとても大変です。
これは別の歯の写真ですが、下の穴には奥の方にまだ汚れが詰まっています。根の中はまっすぐだけじゃなく、細くなっていたり、湾曲していたりして、いくらこのように拡大してみても視認することが難しい時が多々あります。CTやレントゲンを事前に撮影しておくことで根の湾曲具合を確認することができます。この場合は湾曲が事前にわかっていたので注意深く汚れをとっています。
角度を変えて根の内部を観察します。
ここから超音波の道具と、汚れだけを選択的にとる道具などを使用して綺麗にしていきます。マイクロスコープとCTがあるから見て記録することがでできますが、マイクロスコープを持っていない先生は手指の感覚のみで行うことになります。もちろん上手な先生もいらっしゃいますが、見えることに勝るものはありません。暗い部屋でメガネをかけず部屋の掃除をするのと、部屋を明るくしてメガネをして掃除するのでは精度が違います。
ごそっとガッタパーチャが出てきました。
こんなに大きいのがまだ中に残っていました。今回は一塊で取れましたが、ボソボソ千切れて細かくしか取れないこともあり、かなり時間がかかる作業になることもあります。少し汚れているようにも見えます。細菌が繁殖しているのでしょう。
汚れたガッタパーチャをしっかり除去して、洗浄液で綺麗にして再度新しい材料で詰めていきます。
精度の高い根管治療
マイクロスコープやCTや超音波の器具、ラバーダムなどを用いることで精度の高い治療を行うことができ、再感染を防ぎます。
根管治療は歯を被せる前の大事な基礎の治療です。この根管治療の精度が低いと、何度も治療をすることになりますし、場合によっては抜歯になることもあります。精度の低い治療が歯の寿命を短くしています。
早期に発見し、徹底した根管治療を行う事で、歯を一生残せるようにしましょう。
根管治療でお悩みの方、何度治療しても治らなくてお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院へご連絡ください。
■ 他の記事を読む■