親知らずが原因の虫歯。痛くないから放置していたら…

投稿日:2022年3月7日

カテゴリ:虫歯治療

親知らずってなんで抜くか知っていますか?

親知らずは一番お奥に生える歯で、しかもまっすぐ生えてこないことが多く、磨きにくい位置に生えるために、汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいです。

特に、親知らずの歯周病は、智歯周囲炎と言って、腫れたり、血がでたり、痛くなったりします。時には顔の形が変わるくらい腫れたり、顎が開かなくてご飯が食べれなくなったり、呼吸ができなくなってしまうこともあり、入院することもあります。私自身も親知らずで総合病院で入院したこともあるくらいよくある病気でかつ瞬間的に腫れたり痛みが出るので気をつけないといけない病気です。

では、それは痛くなった時に抜けばいいのでしょうか?

いえ、そうではありません。

親知らずの抜くタイミングは?

症状が出る前に抜いた方がいいです。

予防的に抜歯した方がいい理由

親知らずが虫歯になるということは親知らずの周りが汚れているので、その周り、隣の歯まで虫歯になります。虫歯は意外に痛みがないときに進行しているので、痛くなった時にはかなり大きく進行して神経を取らないといけない、もしくは歯を抜かないといけないという時もあります。噛むことができない普段使わない歯のせいで、大事な使っている歯が虫歯になってしまうのはとても困ります。だから予防的に抜歯を行った方がいいです。

もちろん本人が抜きたくないのであればそこはお任せしますし、親知らずが綺麗に生えてかつしっかり磨けているのであれば虫歯や歯周病のリスクは少ないので抜く必要はありません。あと、親知らずは移植という他の歯がダメになった時に歯を植える時に使えるので、親知らずを見つけたら全部抜く必要はありません。

 

ある論文には年齢、親知らずの傾き、歯の距離などさまざまなことを調べて、何百枚もレントゲンで統計を取りました。親知らずの角度が31度以上傾いていると、親知らずの隣の歯が虫歯になるリスクが真っ直ぐな歯に比べると優位に高いという結果が出ています。他にも論文はたくさんありますが、同様に角度のある親知らずはリスクがあると書いてあります。あと、年齢も高くなるほどリスクは上がると書いてあります。

でも、これは論文を読まなくてもなんとなくわかる当たり前のことですよね。

歯が出てきて、年数が過ぎれば過ぎるほど、汚れやすくなって虫歯のリスクは上がります。そして、角度がついていれば死角が増えるので歯磨きが届きにくくなります。他のもので例えると、家の掃除や車の掃除などと一緒です。購入してから日が経つごとに汚れが増えて、汚れが溜まります。カビが生えてしまうところあるでしょう。物がたくさんあったり、掃除しにくタンスの下などの死角がたくさんあったらそこに埃が溜まるでしょう。そうすると不衛生になっていきますよね。歯の場合は汚れると虫歯や歯周病になってしまうという病気がついてくるということです。

親知らずの隣の歯の虫歯

しかも奥歯の虫歯はとても難しく、歯ブラシが届きにくいように僕らの道具も届きにくいです。

これは模型ですが、奥歯に道具を入れようとしているところです。奥歯の裏に黒く印をつけてありますが、全然届く気配がありません。虫歯を削った後は、このようなシリンジから高強度のプラスチックを流して固める作業がここ最近の治療です。(虫歯を詰める治療については他のブログをご覧ください。)

しかもこれはお口の中から見ているようなもので、模型だからできます。実際のお口の中はこうはいきません。

このようにチップの先を曲げることでなんとか道具がさわれます。

当院ではなるべく歯を長持ちさせるように治療しているので、大きく削らずにこの虫歯だけを削って詰めていきます。

マイクロスコープを使用して、見えにくい虫歯をしっかり見て、詰めていきます。

このチップも普通のチップの3段階くらい細いものを使用して、かつ湾曲して細かい作業ができるようにしてあります。

確かに当院では、親知らずによって隣の歯が虫歯になっても治すことができますが、絶対に治すよりは虫歯にならない方がいいです。確実にこの虫歯は親知らずが原因でなる虫歯なので、リスクがある親知らずは抜いた方がいいです。

親知らずを抜いた方がいいかの判断は先生によっても違い、正しい、間違いはないので難しいです。

親知らずで抜いた方がいいか悩んでいたり、虫歯治療でお困りで調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。