根管治療でマイクロスコープが必要な理由

投稿日:2022年2月19日

カテゴリ:根管治療

歯の中に細菌が繁殖して、根の先に膿が溜まった場合に必要な治療に根管治療というものがあります。

歯の構成

歯は一番表層に硬いエナメル質、内層に象牙質、そして深部に歯髄があります。

その他にも、歯の周りに薄くて少し硬いセメント質や、歯根膜があります。

歯髄は神経と血管の複合体で、とても柔らかい組織です。

虫歯

虫歯は細菌の出す酸によって歯が溶かされて、細菌は歯を溶かしながら内部に進行していきます。

 

硬いエナメル質と象牙質を溶かして、歯の歯髄のところまで細菌が侵入すると、歯髄の入っているところは空間になっているので、一気に波及して根の先に進み、根の先の骨を溶かして膿を溜めてしまいます。

この状態を根尖性歯周炎と言いいます。

根尖性歯周炎は、噛むと痛い、何もしてなくてもズキズキ痛む、歯が浮いた感じがする、歯が揺れてくる、歯茎から膿が出てくる、顔が腫れる、などの症状が出ます。

根尖性歯周炎の治療は歯の内部の細菌を除去する根管治療を行います。

根管治療は一般の歯医者で行われている治療の中の上位を占めるものです。

沢山行われていますが、実は難しい治療で、一時的に痛みや腫れが取れても細菌が取りきれずに再度悪くなって、再治療や抜歯になってしまうことがとても多いです。成功率は3〜5割くらいと言われています。

しかし、日本の根管治療に特化している医院や世界の根管治療専門Dr.の成功率は8〜9割以上と言われています。

この差は、根管治療に特化して治療を行っている知識、技術、経験はもちろんですが、マイクロスコープやCT、ニッケルチタンファイル、ラバーダムなどの機器や機材の差があります。

マイクロスコープ

今回はマイクロスコープについて簡単に解説します。

マイクロスコープは歯科用の顕微鏡で肉眼の2〜30倍ほど拡大することができます。

そしてとても強いライトで明るくすることができます。

お口の中は暗くて、歯はとても小さいです。

歯の根はさらに小さく肉眼で見ながら治療するのはほぼ不可能です。

従来の治療では、盲目的に手指の感覚と経験で行うことになります。

小さい歯の内部の汚れを除去する根管治療が再治療になりやすいのは、汚れの取り残しや封鎖ができていないことによる再感染が原因です。マイクロスコープを使用して拡大することで、取り残しを少なくし、可能な限り細菌を除去することが根管治療の高い成功率につながります。

マイクロスコープの実際

実際のマイクロスコープで拡大している画像です。

千円を拡大したところです。

肉眼では見えないものも見えてきます。

実際の臨床での写真です。

これではほとんど見えませんが、これだけ拡大するとだいぶ見えてきます。

必要な場合はさらに拡大します。

あまり拡大しすぎると全体が見えなくなるので、必要に応じて拡大率を変えるのが重要です。

拡大率の変更ができるのも拡大鏡と違うマイクロスコープの強みです。

根管治療にはマイクロスコープは絶対必要なものだと感じています。

マイクロスコープでの根管治療のご希望の方、柳沢歯科医院にご連絡ください。