患者さんが思っている所とは違うところに問題がある場合があります

投稿日:2021年8月28日

カテゴリ:根管治療

左下がしみる・・・

患者さんは30歳代の男性です。職業は歯科医師であり、私の治療を信頼し、来院してくれました。同業者に信頼されるのは、嬉しいことですね。

主訴は、左下がしみる、おそらく一番奥の歯「下顎左側第二大臼歯」がしみる、とのことでした。

これが、その患者さんの左下の状態の写真です。よく見ると、奥から2番目の歯に大きなコンポジットレジンが充填されています。

この歯に冷たいスポンジを当てると、5秒以上強烈なしみる症状が続きました。

私の診査の結果、今回のしみる症状の原因は一番奥の歯ではなく、その手前の6歳臼歯に問題があったのです。患者さんと相談の結果、この歯の根管治療を行うことになりました。

この症例から、皆さんに伝えたいこと。それは、患者さんが「この歯」と思っていても、問題があるのは、別の歯であることが、少なからずあると言うことです。歯科医師でも、間違えることがあるのです。

このように、術前の診断は、正確でなければなりません。マイクロスコープを用いた精密な根管治療がクローズアップされがちですが、それ以前の正確な診断が、最も重要なのかもしれません。

柳沢歯科医院