パーフォレーションにより歯周組織が破壊されます
投稿日:2021年1月25日
カテゴリ:根管治療
パーフォレーションとは?
根管治療を行なっている際に、術者が誤まって変な方向にあけてしまった穴のことです。日本語では「穿孔」とも呼ばれています。
このパーフォレーション、MTAセメントの開発により、以前よりも格段に問題が起きる確率が低くなりましたが、それでも、問題が解決できないこともあります。
ある患者さんです。
この患者さんの下顎左側第二大臼歯の分岐部に歯周ポケットがあり、レントゲン写真上でも、問題が起きている、とのことで、他院から紹介されました。
歯周ポケットを測定すると・・・
限局的に深い歯周ポケットが存在しました。
レントゲン写真上でも、パーフォレーションが疑われたため、詰め物を外し、内部をマイクロスコープで確認しました。
すると、内部からの出血を認めました。この赤くなっている部分が、「穿孔」、いわゆる「パーフォレーション」です。
この部分を、MTAセメントで埋めましたが、結局、組織の回復は認められませんでした。結局、抜歯となりました。
精度の高い根管治療を
この歯の問題は確実に「医原性」つまり、歯科医師のミスによって起きたものです。もちろん、誰にでも起きることであり、私にも起きることです。
しかしながら、確率は減らせることができます。精度の高い根管治療を受けることが、その歯の寿命を伸ばすことに繋がります。
柳沢歯科医院
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