意図的再植術で対応した左下の奥歯

投稿日:2020年11月4日

カテゴリ:根管治療

左下の激痛で来院

患者さんは30歳代の男性。左下の奥歯の激痛で来院されました。

術前のレントゲン写真です。被せ物が取れ、根の先で炎症が起きているのがわかります。激痛の原因は、歯の内部に入り込んでしまった細菌感染です。この感染を取り除くために、根管治療を行うことになりました。

これが術後のレントゲン写真です。

その後、仮歯で様子を見ていましたが、3ヶ月後、この歯の部分の歯茎が腫れました。

その腫れからレントゲンに写る棒を入れ、撮影したレントゲン写真です。これは、根管治療では取りきれなかった汚れが、まだ歯にこびり付いているサインです。こうなると、もう外科的にその感染を取り除く必要があります。今回のケースは、その感染を歯根端切除で取り除くことになりました。この奥歯に関しては、口の中で直接行うことが難しいので、一度抜いて、口の外で根の先を切り取る「意図的再植術」で対応することになりました。

これが術直後のレントゲン写真です。根の長さが短くなっているのがわかると思います。

術後半年後です。歯茎の腫れもなくなり、レントゲン写真での炎症も、小さくなっているのがわかります。もちろん痛みもありません。

術後4年のレントゲン写真です。歯茎の腫れ、痛みなどの症状は一切ありません。問題なく経過していると思われます。

この歯は、一度、抜いているため、やはり歯にダメージが起きている可能性があるので、何かしらの問題が起きてくる可能性はあります。これは、仕方のないことです。

しかし、あれだけ症状の進んでいた歯が、このような状態で残っているのも、また事実です。

このような精度の高い治療を希望される方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院