痛みなどの症状はない しかし根の先の炎症がある患者さん

投稿日:2020年10月17日

カテゴリ:根管治療

再根管治療を希望された患者さん

患者さんは50歳代の女性。一番最初に来院された時は「右下の奥歯の歯茎が腫れた」とのことで来院されました。この部分の治療に関しては、再根管治療を行い、問題なく歯茎も治り、先日無事にジルコニアのブリッジを装着しました。

これらの治療に満足していただいたため、患者さんの希望で、全ての歯をやり直してほしい、との希望があったため、そのほかの部分に関しても、根管治療から、行うことになりました。

そのうちの一つの歯。左下の一番奥の歯は、痛みや、咬んだ際の違和感など、全くありませんでしたが、レントゲン写真を撮ると、根の先に炎症があることがわかりました。と、言うことは、歯の内部が汚れている可能性が高いのです。患者さんと相談して、この歯の再根管治療から行うことになりました。

 

痛みがなくてもこんなに歯の内部が汚れているなんて・・・

被せ物を金属製の土台を、マイクロスコープを用いて削り飛ばすと、

内部の状態をこのような感じでした。

一部触ってみると、内部から、泥のような汚れが出てきました。

この後、歯のない部分に、コンポジットレジンを用いて人口の壁を作り、ラバーダムを装着しました。

もともと入っていた、ガッタパーチャポイントと呼ばれる材料を、超音波チップを用いて取り除き、

以前に先生が、うまく触れていない部分があったため、その部分に、ドリルのような器具を挿入しました。すると、内部からは、泥のような汚れが、わんさか出てきました。

この後も、超音波チップで内部をキレイにしました。

この後、いつも通り、根管治療を行い、最終的な材料を充填し、治療を完了させました。

 

まとめ

今回のケースのように、痛みはないけれども、異常に汚れていて、根の先に炎症があるケースはたくさんあります。このようなケース、実は、時限爆弾を抱えているのと同じで、いつ爆発するか、つまり、いつ激痛が生じるか、わからない部分があるのです。

常に患者さんに伝えていることですが、それは、「痛いかどうかは関係ない」と言うことです。歯は、痛みが原因ではなくなりません。歯は、感染と咬む力で壊れていきます。

このブログを読んでいるあなたの歯も、痛くもないけれども、問題を抱えているかもしれません。

そして、このような精密な根管治療を希望させる方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院