他院で抜歯と宣告 内部には大きな穴が・・・ その3

投稿日:2020年10月3日

カテゴリ:根管治療

他院で抜歯と宣告 原因の一つは歯の量の少なさ

先日投稿した患者さんについての治療内容です。治療が難しく、抜歯が必要である、と他院にて宣告をされ、当院に来院されました。

初診時の歯の状況はこのようでした。

おそらく、抜歯と宣告された要因は、「歯の量の少なさ」だと思います。もちろん、大きな穴が空いていることも、大きな要因の一つですが、この歯の量の少なさも、それに並ぶ大きな要因です。なぜなら、治療がその時はうまくいっても、その後、咬む力に耐えることができず、壊れてしまうからです。「予後が悪いことが予想されるので抜歯です。」ということです。

 

患者さんの強い希望「歯を残したい」

私も、正直言って、難しいと思ったので、抜歯と伝えましたが、それでも、患者さんが粘るので、予後が悪くても、「ごめんなさいしか言えないから。ダメになったら、○○さんのせいですよ」と言って、治療をすることになりました。

今回のケースで、私が行なったことは、「エクストルージョン」です。簡単にいうと、矯正的に歯を引っ張り上げ、歯茎から出ている歯の量を増やす、という方法です。

実際のレントゲン写真です。

術前のレントゲン写真です。

この歯を、装置をつけて、ゴムで引っ張り上げます。ゴムはレントゲンには写りません。上の写真と比べて、治療している歯が上に来ているのがわかると思います。

適切な位置まで引っ張り上げたら、その場で保持します。すぐに離すと、戻ってしまいます。

この後、組織が安定したら、歯茎の処置をして、根管治療します。

根管治療の術直後のレントゲン写真です。

この後、ファイバーポストで土台を作り、仮歯で様子を見ていました。

3ヶ月後、周囲の組織の炎症も治り、骨も再生してきています。治療が成功したようですね。良かったです。

しかし、咬む力に耐えられなくて、壊れてしまった場合は、ごめんさないしかないです、伝えてあります。

このような精密な治療のできる調布市の歯科医院をお探しの方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院