根の内部で器具が折れたら・・・

投稿日:2020年9月16日

カテゴリ:根管治療

根管治療の目的は「歯の内部の細菌の除去」

多くの方が、一度は受けている根管治療。この治療の目的は、「歯の内部の細菌を除去し、根の先の組織の健康と保つ」ことです。

この歯の内部の細菌を取り除く道具が、リーマー・ファイルと呼ばれるものです。

これがそれらの種類の一つである「ニッケルチタンファイル」と呼ばれるものです。

 

リーマー・ファイルが根の内部で折れてしまうことがある

このドリルで、歯の内部をドリリングするのですが、その際に、この器具が折れてしまうことがあります。

これが根の先にファイルが折れてしまった歯のレントゲン写真です。私が折ってしまいました。

わかりにくいので、○で囲みました。

レントゲン写真の先端の、少しコントラストが変わっている部分がそうです。この折れてしまった器具、取れるならとりますが、これは取れません。

この歯、どうなってしまうのか・・・

 

折れてしまったファイルは成功率に影響しません

しかし、あまり気にすることはありません。実際に、これらの器具が折れてしまっても、根管治療の結果に影響しないことがわかっています。取ろうとすると、逆に多くの歯を削ることになるので、取らない方が良いことの方が多いくらいです。今回のケースでも、取りませんでした。

しかし、やることをしっかりやらなければ、結果は悪くなります。悪い結果にならないよう、やらなければいけないことは

感染を可能な限り取り除く

根管治療の失敗の原因は、細菌感染です。これらをきちんと取り除くことが大切です。

ラバーダム

細菌だらけの口腔内で根管治療を行うのは危険です。リスクが高いです。これらのリスクを回避するために「ラバーダム」をして、治療を行います。

精度の高い被せ物の装着

治療が終わっても、歯の内部に感染のリスクはあります。そのため、歯に可能な限りフィットした精度の高い被せ物を装着することが大切です。

患者さんに折れたことを伝える

私は、折れてしまった場合には、いつも正直に折れてしまったことと、大きな問題がないことを伝えます。折れてしまったことを患者さん自身が知っていることが大切だと思います。

 

まとめ

器具が折れてしまうことは、誰にでもあり得ることです。このリスクに対して、適切に対応すれば、多くの場合が問題なく経過します。このような正直で、リスクをなるべく回避できる根管治療を希望される方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院