歯茎の腫れ 原因は歯に入っていたヒビ

投稿日:2020年8月10日

カテゴリ:根管治療

歯茎の腫れを訴え来院

歯茎の腫れを主訴に来院された患者さん。歯茎の腫れの多くの原因は、歯にこびり付いた細菌感染ですが、その感染の原因は主に、以下の

歯の内部の感染

虫歯などで歯の内部が細菌感染すると、それに身体が反応し、歯茎が腫れることがあります。

歯周病

歯の周囲に細菌がたまり、歯を支える組織が壊れると、さらに多くの細菌がたまり、その感染に対して身体が反応し、歯茎が腫れます。

歯根にできたヒビ

歯に負担がかかると、根にヒビが入ります。この日々の内部に細菌がたまると、その感染に身体が反応し、歯茎が腫れることがあります。

この3つです。歯科医師にとって大切なのは、この3つのどれが原因なのか、診断することです。当たり前のようですが、実は、この確実な診断は簡単ではありません。

今回のケースは、キーポイントとなる「一部に存在する深い歯周ポケット」があったので、歯根にできたヒビである可能性が強く疑われました。

被せ物を外し、内部の金属製の土台を確認しました。

これをマイクロスコープを用いて削り飛ばし、

内部を見ると、なにやらヒビのようなものが・・・

止血して、見やすくすると、やはり、ヒビが入っていました。

 

まとめ

ヒビが入った歯は、基本的には抜歯です。残念でしたが、この歯も抜歯しました。しかし、大切なことは、ヒビが入っていることを確実に診断することです。もちろん、根管治療など、歯を保存でききる場合は、精密な治療が必要になりますが、このような、確実な診断も治療においては重要な要素になるのです。

実際に、根管治療がうまく行かず、症状が消えない、と来られた患者さんで、すでにヒビが入っていた、ということもあります。前医で、ヒビが見つからなかったのですね。

精密な治療も必要ですが、このような確実な診断も、場合によっては、もっとも大事な要素になることがあります。

柳沢歯科医院