茨城から来た歯医者さんの根の治療(根管治療) 根管探索〜拡大

投稿日:2017年10月4日

カテゴリ:根管治療

歯医者さんの右上の歯の根の治療の続き

茨城から来て頂いた歯医者さんの右上の歯の根の治療の続きです。前回のブログでは、虫歯を取り除き、人工の壁をコンポジットレジンで作るところまで説明しました。今日は、歯の内部の根の管の入り口を探し、その根の管の長さを測定し、大きくするところまで説明します。

 

根の管の入り口を探す

ラバーダムをして、マイクロスコープを使って歯の内部にある非常に小さな根の管の入り口を探します。

内部を見ると、歯髄と呼ばれる神経が刺激により石のように硬くなっていました。そのため、入り口を探すのが困難になります。マイクロスコープがなければ、とてもじゃないですが、精密な治療など不可能です。

慎重に硬くなった神経を取り除きます。このとき、患者さんの歯医者さんには「変な方向に穴が空いたらごめん」と言って治療しました。それほど、マイクロスコープを使っても、とても難しい治療なのです。

最終的には、問題なくこの部分にある根の管の入り口を見つけることができました。

その他の入り口も見つけ、大きくします。

このあと、根の内部の処置をしやすくするために、入り口をさらに大きくします。

さらに、もう一つの根の管の入り口があるかどうかを確認します。

この部分にもう一つあることがあるので、あるかどうかを探します。

しかし、今回のケースでは、見つからず、ないと判断し、合計3個の入り口を処置することになりました。

ここまでの処置の動画を提示致しますので、ご覧ください。

このあと、根の長さを測定し、その長さが正しいかどうかをレントゲン写真で確認します。

長さを確認したレントゲン写真です。根の先まで器具を到達させることができましたが、実は根の先が曲がっていて、さらに細かったため、とても難しかったですが、問題なく器具を到達させることができました。

確認できたあと、その長さまで、ニッケルチタンファイルを使って、根を大きく拡大していきました。

 

まとめ

神経が石のように硬くなっていたので、また、根が曲がり細くなっていたので、ヒヤヒヤしながら治療しましたが、問題なく終えることができて一安心です。過信せず、常に安全に行うことが大切ですね。

このあと、最終的な根の材料を詰める処置「根管充填」を行い、直後に、コンポジットレジンを使って土台を建てていきます。

柳沢歯科医院