歯の内部に穴があいていた症例
投稿日:2017年9月12日
カテゴリ:根管治療
歯の内部に穴があく?
根の治療の途中に穴があいてしまうことがあります。これは、治療している歯科医師があけてしまったもので、失敗であることが多いです。しかし、この失敗を責めることはできません。なぜなら、それほど、根の治療は難しいからです。
このあいてしまった穴から細菌が悪さをすると、歯の周りの骨を溶かし、その歯を抜歯しなければならない可能性が高くなります。
穴を封鎖する救世主の材料「MTAセメント」
しかし、この穴を「MTAセメント」と呼ばれる材料で封鎖することにより、治療する歯の寿命を長くでき可能性が飛躍的に高くなります。
歯の内部に穴のあいていた症例
ここで、穴のあいてしまった部分をこのMTAセメントにより封鎖した症例を提示します。
患者さんは右下の歯茎の腫れを訴え、来院されました。
歯周ポケットを測定すると、かなり深い状態でした。
術前のレントゲン写真です。この段階では、歯の内部に腫れの原因があるのか、外側にあるのか、はたまた、ヒビが入っているのかわかりません。
このような場合は、歯の内部の治療、つまり根の治療から行います。
装着されていたかぶせ物と土台を外します。
外した状態です。
ここで、つまっていたオレンジ色の材料を取り除きます。
ある程度取ると、根の内部の右側面に穴が空いていました。
拡大した写真です。以前に治療した先生があけてしまった穴です。歯茎のはれの原因は、おそらく、この穴だと思われます。
穴を確認できたので、残りの材料を取り除き、
きれいにしました。
この時点で、根の長さをはかります。
根の長さが正しくはかれているか、レントゲン写真で確認します。
その後、新たな材料をつめ、
残りの部分と、穴を封鎖する目的で、MTAセメントを使います。
術後のレントゲン写真です。写真上では、きれいに治療できています。
この治療の一連の流れを動画でご覧ください。
まとめ
このように、歯の内部の治療のときに、穴があいてしまったケースを良く見かけます。以前ですと、この穴があいてしまった時点で、抜歯と診断されることが多かったのですが、現代では違います。ここで示した症例のように、「MTAセメント」を用いることにより、このような歯を格段に長持ちさせることが可能になりました。
当院では、このような、マイクロスコープを用いた根管治療に力を入れおり、他院では抜歯と診断された歯の保存に成功しています。このような治療を受けられる調布市の歯科をお探しの方は、ぜひご相談ください。
柳沢歯科医院
■ 他の記事を読む■