歯並びの良い高齢の患者さんの治療をして感じたこと
投稿日:2017年8月9日
カテゴリ:小児矯正
治療した高齢の患者さんの口の中の状態
実際の写真を提示します。
つめ物、かぶせ物がたくさんあります。さらに、その精度も良くなく、段差があったり、劣化が激しく、場所によっては黒くなり、虫歯になっています。(これらの部分の治療は、痛くもかゆくもなんともないため、患者さんの希望で治療していません。)
なぜこれだけ歯が残っているのだろうか?
しかし、親知らずを除いて、歯が全部残っています。虫歯がこれだけあって、たくさん修復物が装着されているのにもかかわらず、歯が残っている理由はなんであるのか・・・。体質、歯周病になりにくい、あまり良く物を噛まないのかも?など、様々な要因が挙げられますが、私が思う一番の要因は、歯並びが良いことです。
歯並びが良いことは、歯が残りやすいということ
歯並びが良いと、歯は残りやすいのです。これは、実際の統計でも証明されていることで、歯並びが良い人は、「8020」の達成、つまり、80歳で20本の歯が残る可能性が高くなります。つまり、歯並びを良くすることは、歯を失うことの予防につながるのです。
逆に言うと、歯並びが悪いことを見逃していることは、虫歯や歯周病を見逃して、治療しないことと同じか、それ以上に悪いことである、と言っても過言ではないのです。
成長期に、原因に焦点を当てた治療を行うのがベスト
歯並びの治療は、成長期である小学生になりたてくらいから行うのがベストです。そして、ただ単に歯並びだけに焦点を当てた矯正治療ではなく、歯並びが悪くなる原因に焦点をあて、その原因を治す治療を行うのがベストです。
歯を抜いて、スペースを作り、歯並びのみをきれいにしても、あまり意味はありません。その治療して、逆に歯が悪くなるであろう歯並びを、多くのケースで目撃しています。これらは最悪です。見た目は良いかもしれませんが、まったく機能していません。患者さんがかわいそうです。
子供のころから、舌を上あごにつけ、口を閉じ、正しい飲み込み方、そして鼻呼吸をすることが、正しい歯並びを獲得する方法です。大人になってからでは遅いのです。子供のころから、原因に焦点を当てた歯並びの治療を受けてください。
これが、大人になって健康な口腔内でいることができる大きなポイントです。
柳沢歯科医院
■ 他の記事を読む■