移植した歯の根管充填
投稿日:2017年7月24日
カテゴリ:未分類
抜歯した部分に親知らずの移植
今回の患者さんは左下の6歳臼歯を、他院で抜歯と診断され、セカンドオピニオンで来院されました。当院では、一度クラウンを装着しましたが、やはり状態が悪いため、抜歯をすることになりました。
レントゲン写真で真ん中の歯が、抜歯と診断した左下の6歳臼歯です。抜歯したあと、インプラントやブリッジでこの部分を何かで補う必要がありますが、今回のケースでは、この歯のさらに奥に親知らずが残っていたため、この親知らずを移植することになりました。
これが、その親知らずのレントゲン写真です。
処置は、左下の6歳臼歯を抜歯したあと、親知らずを抜歯、根の先端をカットし、6歳臼歯があった部分に移植しました。
これが、移植直後のレントゲン写真です。
移植した親知らずの根の治療
この処置から1ヶ月したから、この歯の根の治療(根管治療)を行いました。今日は、この歯の根管充填を行いました。材料にはMTAセメントを使いました。
この歯は、3根管でした。根管が湾曲し、さらに内部が複雑でわかりにくい形をしていましたが、すべての根管を発見し、処置することができまいた。これは、かなりむずかしい治療でしたが、マイクロスコープで歯の内部を良く観察し、精密に治療することができました。これらの根管に、MTAセメントをつめていきます。
マイクロスコープを用いて、根の内部にセメントを緊密につめます。とにかくつめます。
これが、つめ終わったあとの写真です。MTAセメントは操作性が悪いため、うまく使うのには慣れが必要です。
この一連の処置の動画を提示致しますので、ご覧ください。
術後のレントゲン写真です。レントゲン写真上では、問題なく根管充填できています。
これは、移植直後のレントゲン写真ですが、歯の根を取り囲む黒い像が、小さくなり、白くなってきているのがわかると思いますが、これは、根の周りに骨が出来上がっている証拠です。
まとめ
今回は移植の症例を提示致しました。左下の6歳臼歯を抜歯したあと、この部分を補う方法には、インプラントやブリッジがありますが、どれも人工物であるため、いい方法ではありません。しかし、移植は抜歯した部分に自分のものである天然の歯を使えるのです。これは、本当に体に優しい。インプラントやブシッジを避けることができるため、患者さんからも喜ばれます。
今後の経過観察が必要ですが、今の時点では、骨も再生しているため、成功していると言っても良いと思います。この歯がより長く機能することを心から願います。
このように、当院では、可能であればインプラントやブリッジの前に、患者さんの天然の歯を使える移植をすすめています。このような治療のできる調布市の歯科医院をお探しの方は、ぜひご相談ください。
柳沢歯科医院
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