樋状根の根管充填
投稿日:2017年7月3日
カテゴリ:根管治療
先日ブログにアップしたある患者さんの左下7の樋状根という複雑な形の根管治療が今日終了しました。2本の根管が存在しましたが、この2本は根の先で合流していました。片方の根は通常のガッタパーチャポイントにて、もう片方はMTAセメントにて根管充填を行いました。
今回のケースのおさらい
術前のレントゲン写真です。根の先に黒い像があります。根の内部に汚れがある証拠です。
この炎症で、歯茎が腫れています。
根の内部に汚れがあると判断し、根管治療を始めました。
根の内部の感染を取り除いたあと、根の長さを測っているレントゲン写真です。
このあと、根管拡大を行い、根管充填に備えました。
本日の根管充填
来院時の状態です。術前にあった歯茎の腫れが引いています。感染が取り除けた証拠です。
ラバーダムをして、仮封を取り除き、根の内部をよく洗浄し、根管充填を行いました。
まずは遠心根をMTAセメントで根管充填します。
根尖の方まで充填します。
このMTAセメントで、上の方まで敷き詰めます。
もう片方の根管はガッタパーチャポイントにて根管充填を行います。
術後のレントゲン写真です。
一連の処置の動画を提示致します。
次回は、ファイバーポストを用いて支台築造を行う予定です。
まとめ
樋状根はとても複雑な形態の根管であり、そのため、治療も複雑になります。そのため、マイクロスコープを用いた根管治療が必須になります。この複雑な根管から、肉眼で細菌感染を取り除くのは至難の技でしょう。
なにより、術前に見られた歯肉の腫れが引いて良かったです。再発の可能性も、まだありますが、このまま患者さんが、この歯を健康な状態で使えることを心から願うばかりです。
柳沢歯科医院
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