歯茎が腫れている右上5の根管治療

投稿日:2017年6月22日

カテゴリ:根管治療

根管治療を行った歯

治療を行った歯は右上5です。診査診断の結果、根尖性歯周炎と診断し、再根管治療を行いました。

術前のレントゲン写真です。真ん中の白い像(メタルコア)が根の内部に突き刺さっている歯です。根の先に黒く抜ける透過象があるのがわかります。

前回の治療で、クラウンとコアの除去、カリエスの除去、そして隔壁を作り、根管内へのアプローチの準備を行いました。

 

根管内へのアプローチ

今日は、根管内へのアプローチをマイクロスコープで拡大して行いました。麻酔、ラバーダムを行い、感染していることが疑われる根管内の感染の除去を行います。

内部にあるピンクのものがガッタパーチャポイントです。

これを専用のドリルで取り除きます。

すると、中から、泥のようなどす黒い物体が出てきました。

さらに膿も出てきました。根管内が感染し、根の先で炎症が起きている証拠です。

これらの汚れを殺菌作用のある液体で洗い流します。

根管拡大し、もう一度根管内を良くも確認すると、処置した根管の上に何やら白い部分がありました。

この部分にドリルを挿入すると、なんと、処置されていない根管がありました。ドリルをさらに奥まで挿入すると、先ほどと同じような泥のような、汚い物質が出てきました。

最終的な拡大が終了した時点です。このように、発見した2本の根管をきれいにすることができました。

実際の治療の動画を提示致します。

次回は、根管充填とファイバーポストによる支台築造を行う予定です。

 

まとめ

今回のケースでは、マイクロスコープがその威力を発揮しました。根管の内部の汚れを取り除くことはもちろんのこと、前回治療した歯科医師が見逃していた根管を見つけることができたからです。もしも、肉眼で治療していたなら、おそらく見落としていたのではないでしょうか?

このように、マイクロスコープは、歯の内部を拡大して観察することにより、処置されていない見落とされた根管の発見に威力を発揮します。根管治療を行う上で、もうマイクロスコープは手放せません。

柳沢歯科医院