根管治療において大切なこと 根管貼薬
投稿日:2017年5月24日
カテゴリ:根管治療
歯の根の内部(根管)の汚れが、根の先の炎症(根尖性歯周炎)の原因ですが、これらの汚れを「根管拡大」「根管内洗浄」「根管貼薬」によって取り除くことが根管治療です。前回までに、「根管拡大」と「根管内洗浄」について説明したので、今回は「根管貼薬」について説明します。
根管貼薬とは
歯の根の内部の汚れを取りのぞいた後、次回の来院までの根の内部に薬を入れておくことです。
根管貼薬の目的
根管内の細菌を取り除く
根管拡大と根管内洗浄により、95%以上の細菌は取り除くことができる、と科学的なデータでは言われていますが、多少の細菌は残ります。この残った細菌を殺すことが、根管貼薬の目的のひとつです。
根管内の細菌に増殖するスペースを与えない
根管内に残った細菌は、たとえ少しであったとしても、スペースがあれば、増殖するため、せっかくがんばってきれいにした労力が台無しになります。この細菌が増殖するスペースを埋めてしまうことも、根管貼薬の目的のひとつです。
根管貼薬に用いる薬剤
水酸化カルシウムを使用しています。水酸化カルシウムの粉末を水で溶き、ペースト状にして、根管内に入れます。
また、ホルマリンをもちいた薬剤もありますが、発がん性の可能性があるため、当院では使用していません。
根管貼薬の動画
実際に水酸化カルシウムを根管内に入れている動画を提示します。
この白い粉末が水酸化カルシウムです。当院では、マイクロスコープを用いて、可能な限り緊密に水酸化カルシウムを根管内に敷き詰めます。
まとめ
根管内に残った細菌を取り除き、そして細菌が増殖するスペースを埋めるために行う水酸化カルシウムの根管貼薬は、根管治療を成功させる上で、とても大切なステップです。
柳沢歯科医院
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