小児喘息が改善した患者さん

投稿日:2017年5月20日

カテゴリ:小児矯正

当院で行っている小児矯正の効果を実感

当院で小児矯正治療を行っているある患者さんは小児喘息で苦しんでしたそうです。今日、来院させた際に、最近の喘息発作について聞いたところ、「そう言えば最近出てないね。」と、お母さんからの答え。完治したかはわかりませんが、おそらく改善傾向にあるのでしょう。当院で行っている小児矯正で、小児喘息の改善を実感することができました。

 

小児喘息が改善するメカニズム

少し専門的になりますが、この喘息の症状が改善したメカニズムを説明したいと思います。

当院での治療の目的は、歯が並ぶ顎の正常な成長を促すことです。この目的を達成するためには、話すとき、食事をするとき以外は、舌を上顎につけ、口を閉じることがポイントです。上顎の正常な成長を促す組織は「舌」なのです。では、舌を上顎につけ、口を閉じている状態で、呼吸はどこでしますか?もちろん、鼻です。そう、この治療のもう一つの大事なポイントは鼻呼吸を獲得することです。

では、なぜ、歯並びが悪くなるのか?それは、顎の成長不足のためです。つまり、舌が下がり、口をポカンと開けていて、口呼吸しているために、顎が上手く成長できず、結果的に歯並びが悪くなるのです。

小児喘息には、この口呼吸が悪いのです。なぜか?それは、口呼吸により、二酸化炭素が体からたくさん出て行ってしまうからです。体にとって無駄なイメージの二酸化炭素、実は体にとってとても大切な栄養源なのです。どんな役割があるのか?そのひとつが、体を構成する「平滑筋」の弛緩です。そのため、二酸化炭素が少なくなると、平滑筋が収縮してしまいます。この平滑筋でできている体の部分が「気管支」です。

つまり、「歯並びが悪い→口呼吸→二酸化炭素が体から少なくなる→気管支の収縮→小児喘息」という負のスパイルが成り立つのです。

この負のスパイラルを断ち切るために、口呼吸を鼻呼吸に変えることにより、二酸化炭素が体にたまり、気管支の収縮が改善する、その結果、小児喘息の症状が改善するのです。

 

まとめ

当院の小児矯正治療は、従来の歯科矯正治療の枠を超えた、全身の健康状態を改善する「小児矯正・頭蓋顔面科」による治療です。その目的は「頭蓋顔面劣成長症候群に見られる症状の改善及び予防」です。この症候群のひとつの症状として見られるのが「小児喘息」なのです。

小児喘息で悩んでいるお子さんは、この治療により、症状が改善するかもしれません。

柳沢歯科医院