歯根端切除で歯を残します。

投稿日:2024年7月19日

カテゴリ:根管治療

根管治療(根の治療)は100パーセント治る治療ではありません。

保険の根管治療では30%〜50%程の成功率と言われています。自費の根管治療は90〜95%の成功率と言われています。

保険でも自費でも根管治療は一定数治らないケースが存在します。

では、根管治療で成功しなかったら抜歯でしょうか?

根管治療で失敗したら?

根管治療がうまくいかなかった場合は、抜歯を勧める先生が多いですが、実は、まだ治療方法があります。

それは、歯根端切除術や意図的再植術というのものです。

この治療法によって、根管治療で治らなかったケースでも治る可能性があります。

歯根端切除術にも、昔から行われていた方法と最新のマイクロスコープやMTAを使用した方法があり、前者は成功率が20~60と言われていますが、後者では90%を超えると言われています。

当院では、自費の根管治療や自費の歯根端切除術を行っていますが、実際に成功率は正しいと実感しています。

歯根端切除術について

簡単な図を用いて説明します。

根管治療を行った歯の根の先に膿が溜まっている図です。

黒い部分が根の先の膿を表しています。

根管治療は歯の内部をきれいにしてから封鎖していく治療ですが、根の内部の細菌が取りきれず膿が治らないことがあります。この場合、治療が可能な歯科医院では、歯根端切除術を行います。

歯根端切除術は根の先を直接切って感染を取り除く治療です。

根の先端と膿を取り除いたところです。

根の先には細い側枝と言われる管があり、根管治療で全ての細菌を取り除くのは不可能と言われています。そのために、治らないケースは根の先3mmくらいを取り除くことが多いです。

そして最後に逆根管充填です。根の先からMTAセメントという材料で緊密に封鎖することで細菌の増殖、波及を防ぎます。

根の先の膿の除去、根の先3mmの切断、切断面の確認、逆根管形成、逆根管充填、縫合をしっかりして治療終了です。1日で終わります。あとは骨の治り待ちます。

治療後だんだんと骨ができて数ヶ月も経つとこのように膿があったところにしっかりと骨ができてきます。

もちろん歯茎も問題なく治ります。

実際の当院の患者さんでの歯根端切除術のレントゲン写真です。

根の先に膿があります。破折ファイルも認められます。根の先が吸収して先生によってはすぐに抜歯を選ぶ人もいるかもしれません。

歯根端切除後のレントゲン写真です。

根の先がきれいになっています。

きれいにカットされ、逆根管充填がされ、膿もなくなり、骨も治っている状態です。

精度の高い歯根端切除術を行うには、知識や経験はもちろんですが、CT、マイクロスコープ、逆根管形成超音波チップ、MTAが最低でもないとできません。

知識や経験と専用の機材がないと成功率の高い歯根端切除術はできませんが、歯を残すためにはそれだけの価値があると私は思っています。

根管治療でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。

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