歯の神経を残したい(歯髄保存療法)
投稿日:2024年4月11日
カテゴリ:根管治療
歯の内部には神経(歯髄)があります。
虫歯が大きいと歯髄まで感染し、根の治療(根管治療)が必要になります。
保険根管治療は成功率が30〜50%と言われており、自費根管治療は90%と言われています。
根管治療が失敗した場合、次の治療は抜歯になってしまう可能性もあります。
さらに、根管治療は大きく歯を削ることになるので、折れたりヒビが入って抜歯になる可能性が上がります。
つまり、根管治療をおこうなうと失敗しても成功しても天然の歯の状態に比べ、抜歯のリスクがとても高くなってしまうのです。
だから、なるべく神経を残すように努めることが歯を長持ちさせる第一歩になります。
では、どんな状態の時に神経が残せるのでしょうか?
歯髄保存療法の適応
実際は細かく診査が必要ですが、わかりやすく分類します。
虫歯の範囲が神経から離れていれば、詰め物や被せ物で問題なく、神経を残せます。
上のようなケースは診断が難しいです。
一層健全な歯質が残っていて問題なく詰めることができる場合と、歯髄まで穴が空いてしまうけど歯髄保存療法が適応する場合と穴が空いて歯髄が壊死している場合、一見問題なさそうで歯髄が壊死している場合、などなど様々な状態、治療法があります。そして、多くの保険治療では神経に近い危険な歯は、とりあえず神経を取ってしまうことが多いです。そして歯髄を取ってしまうと、もう歯髄を保存できないので、よく考えて治療を受けましょう。
上のような場合は歯髄は壊死しており、神経の治療になることがほとんどです。
すでに虫歯が原因で歯髄が壊死しており、放置すると細菌が繁殖し強い痛みや腫れを生じる可能性があります。根管治療が適応になります。
このような状態では、根管治療か抜歯が適応になります。
実際の歯髄保存療法
銀の詰め物が取れて来院された患者さんの歯をマイクロスコープで記録したものです。
かなり虫歯が大きく、ドロドロしているのが写真からもわかります。
様々な検査を行い、神経の反応が正常であることから一般的な虫歯治療、そして歯髄保存療法を行う可能性を最初に説明しました。
ある程度削ったところで虫歯染め出し液を使用します。
健康な歯と虫歯が明確になります。
虫歯は取り残さないようして、しかし健康な歯を可能な限り残すようにすることができます。
虫歯を削っていくと、神経が露出しました。
虫歯は神経の場所まで到達していました。
ここで神経を取ってしまうことがとても多いですが、最初に歯髄保存療法を説明してありましたので、移行しました。
神経が露出した部分にMTAセメントと言う材料を使用し、歯髄を守る処置をしました。これを使えば100%歯髄が残るわけではありません。状況によって次の治療に移行することもあるので経過を追うことがとても重要です。
その後全体を補強し、感染しないように綺麗に覆います。経過を追って問題なければ被せ物をすれば、神経を残して歯としての機能を回復することができます。
歯の神経の保存、虫歯治療でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。
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