小児矯正(MRC矯正治療)
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予防型早期矯正治療(原因にアプローチする小児矯正)
当院では、従来の小児矯正治療とは、まったく異なる、歯並びが悪くなる原因にアプローチする「予防型早期矯正治療」を行っております。
「様子を見ましょう」「待ちましょう」は要注意!
お子さんの歯並びが気になり、歯科医院に連れて行き、「うちの子は歯並びどうですか?」と歯科医師に質問したことがあるお母さんは多いと思います。
そんな時の歯医者さんの答えは、どうでしたか?おそらく「永久歯が並ぶまで様子を見ましょう」「前歯が並ぶまで待ちましょう」というような、曖昧な内容ではなかったでしょうか?
これらは、これまでの歯科界における一般常識の回答なのですが、当院の小児矯正の考えからすると、今しか出来ないことを見逃している可能性がある為、要注意です!
歯並びが悪くなる原因、それは子供のあごの成長不足
では、なぜ歯並びが悪くなるのか?それは、顎の成長不足です。歯が並ぶ顎が小さければ、そのスペース、アーチも小さくなります。 結果、「小さい顎に大きな歯」がはえてくるので、歯並びガタつきます。咬み合わせが上下反対、深い咬み合わせ、これらも顎の成長不足が原因です。
顎の成長不足の原因は「ベロ(舌)の位置」が関係!?
では、顎の成長不足の原因はなんなのでしょうか?食べ物が柔らかくなった、などの様々な推測がありますが、当院の考えでは「舌が上顎についていない」。これが原因です。
正常な顎の成長は上顎が舌に乗り、前に外側に広がっていきます。結果、アーチが大きくなるので歯並びがガタつかず、良くなります。また、この上顎に下顎もついていくので、咬み合わせも良くなります。
しかし、舌が上顎につかず落ちてしまっていると、上顎が舌に乗らず、前に外側に拡がれません。すると、アーチが小さくなり、歯並びがガタつきます。咬み合わせも反対になったり深くなります。
顎の成長不足の原因は、低位舌(舌が上顎についていない)、そしてこれを助長させる、お口ポカン、口呼吸なのです。歯並びが悪くなるプロセスをまとめると「低位舌、お口ポカン、口呼吸」→「顎の成長不足」→「歯並び、咬み合わせが悪くなる」となるのです。
子供の歯並びが気になるときに見るべきもの
では、「うちの子歯並びどうですか?」という質問に対して私たちが見るべきものはなんなのか?もうお分かりの方もいらっしゃるかと思いますが、それは、「今、並んでいる歯並び」ではありません。
見るべきものは、お子さんが来院して、待合室に座り、本を読んでいるとき、あるいはテレビを見ているときの「無意識時に口が開いているのか?口で呼吸しているのか?」なのです。
今までの子供の矯正治療は・・・
このことを踏まえて、従来の矯正治療について考えて見みたいと思います。今までの矯正治療では、歯並び、咬み合わせに問題のある子供に対して様子を見て、永久歯がある程度はえ揃ってから、必要があれば歯を抜き、間引きをしてスペースを作り、銀のワイヤーを付けて、歯並びを無理やり綺麗にするものでした。しかし、「原因」に対してアプローチできていないため、後戻りします。
このことを虫歯の治療に置き換えて考えてみます。原因である虫歯菌の塊の「歯垢」が取れていないので、虫歯になってしまったので、歯を削り修復したが、「歯垢」がうまく取れていないので、また虫歯になってしまう。従来の銀のワイヤーを使った子供の矯正治療は、この「虫歯治療の負のスパイラル」と同じことをしているのです。
従来の方法とはまったく異なる「予防型早期矯正治療」
この負のスパイラルから脱却するためには、「原因」に対してアプローチをする治療が必要です。それが当院で行っている「予防型早期矯正治療」です。
これは、「鼻呼吸にする、舌の位置を上顎につける、正しい飲み込み方を身につける、唇を閉じる」という機能を身につけることによって、成長段階の子供の柔らかく、形を変えることのできる顎の成長を促すことに焦点を当てる治療法です。
この結果、歯並びが良くなります。歯並びは「結果論」なのです。虫歯にならないようにするためには、原因である虫歯菌の塊である「歯垢」を取り除く歯ブラシが大切です。この原因を取り除くことが「予防」です。
「予防型早期矯正治療」も、歯並びが悪くなる原因にアプローチをする「予防治療」なのです。この治療により、今まではなかった、歯並び、咬み合わせの「予防治療」が実現できるようになったのです。
予防型早期矯正治療実現のための「MRCシステム」
当院では、「予防型早期矯正治療」を実現するために「MRCシステム」を使用しています。「MRC」とはMyofanctional Research Companyの略称で、オーストラリアの会社です。この会社が考案しているシステムを用いて、治療を行います。
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アクティビティ
このシステムでは、子供たちが「鼻呼吸、正しい舌の位置、正しい飲み込み方、唇を閉じる」これらの機能を身につけるためのトレーニングプロセスが組まれており、これらを毎日行い、トレーニングして頂きます。
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マイオブレイス
マウスピース型の装置です。この装置を日中1時間〜2時間と就寝時に装着することにより、口の周りの筋肉と機能を鍛えます。
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Bent Wire System
舌のスペースを確保するために、内側から外側に歯を押すワイヤーです。必要があれば、このワイヤーを使用します。
この3本柱によって、「抜歯しない、ブラケットしない、後戻りしない、発育の良い顔立ち」という、従来の矯正治療では考えられない夢のようなことを実現できます。
MRC矯正のアクティビティの詳細について
MRC矯正では、下記の例の様にさまざまなアクティビティを行って歯並び悪化の原因となるお口ポカンや口呼吸、舌の位置などの改善を目指します。
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口唇閉鎖の訓練
お口の中に入れた器具をゆっくり引っ張ります。器具がお口の外に出ないようにお口をしっかりと閉じて、口唇閉鎖力を鍛えます。
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腹式呼吸・鼻呼吸の習慣化
椅子に座って姿勢を正し、腹式呼吸・鼻呼吸の練習を行います。腹式呼吸・鼻呼吸を習慣にし、口呼吸を改善します。
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横隔膜を使う練習
ストレッチポールを使用し、胸を開いたり、横隔膜を使う訓練をはじめ、正しい呼吸・姿勢に必要となる筋肉のストレッチを行います。
BioBlock Stage1
また当院では、必要な患者さんには、この拡大装置を使用します。この装置により、上顎を前に外側に拡大します。
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MRCシステムの適応年齢
身体の成長度合いなど個人差もありますが、5〜12歳です。
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MRCシステムの治療期間
1年半〜2年間です。しかし、良好なコンプライアンスが得られない場合などは、長引くことがあります。
MRC矯正の注意点について
MRC矯正は、取り外し可能なマウスピース型の装置を使用します。そのため、装着時間を守っていただかなければ、適切な治療効果が得れない場合がございます。就寝時は、無意識のうちに装置が外れる場合もありますので、ご家族でサポートをお願い致します。
予防型早期矯正治療による身体的な改善
歯科医院なので、もちろん、口とその周りの組織に対して治療しますが、この治療を受けた患者さんから、歯並びの改善だけではなく、多くの身体的な改善があったとの声を頂いておりますので、いくつかご紹介致します。
- 耳鼻科に行かなくなった
- 喘息が改善した
- 寝起きが良くなった
- 風邪を引かくなった
- 姿勢が良くなった
- オネショしなくなった
- いびきをかかなくなった
※改善内容には個人差があります。
実際に当院の小児矯正治療を受けて耳鼻科に行かなくなった子どもの症例
こちらのお子様は出っ歯と咬み合わせが深い点を治したいという歯並び矯正目的でご来院いただきましたが、MRCシステムによって矯正治療を行う過程で鼻づまりが改善しましたのでご紹介します。
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▲鼻づまりの悪い歯並び -
▲1年半後、鼻づまりが改善した歯並び
当院は歯科医院なので、あくまで咬み合わせの治療をします。が、このように、鼻づまりがなくなるなどの呼吸の問題が解決する子どもたちが、MRCシステムを使っている歯科医院でも、多く見られるようです。しかし、これは当たり前ですよね。鼻の空気の通り道が大きくなっているのですから、当然だと思います。
耳鼻科では、鼻づまりの子どもたちに薬しか投与しませんが、これは対症療法に過ぎないかもしれません。この治療は、鼻づまりの根本的な解決治療のひとつになりえると考えています。
頭蓋顔面発育不全の改善のための小児矯正という考え方
「頭蓋顔面発育不全」とは、小児の歯並びや呼吸等、あらゆる症状の根本的な原因となり得る頭蓋顔面骨の発育が足りていない状態です。この状態が解決できれば、その子供の身体は大きく変わり、より健康な人生を送れると信じています。「頭蓋顔面発育不全」聞き慣れない言葉ですが、どのようなものか説明します。
頭蓋顔面発育不全とは?
頭蓋顔面(頭蓋骨全体)は30個ほどの小さな骨が組み合わさって構成され、全ての骨が連動して成長します。そのため、どこかひとつの骨の成長がうまく成長できないと、全体のバランスが崩れて、成長不足になります。これが「頭蓋顔面劣成長」です。
では、最近の子どものどこの骨がうまく成長できない場合が多いのかというと、それは上顎の骨(上顎骨)です(写真の緑色の骨が上顎骨)。理由は、①口がポカンと開き②舌の位置が下がり③歯が噛み合っている時間が短いため、上顎骨の支えがなくなるからです。
そうなると本来、正常であれば前方向に成長しなければならない上顎骨が重量に従って下方向へ成長してしまい、頭蓋骨全体の成長バランスが崩れ、「頭蓋顔面劣成長」が起こるのです。
この「頭蓋顔面劣成長」が不正咬合(噛み合わせが悪い状態)から、喘息、アトピー性皮膚炎、腰痛、さらにはうつ病、パーキンソン病、脳梗塞や心筋梗塞などのトラブルの引き金となる可能性があるのです。これらの病気を総称して、私は「頭蓋顔面発育不全」と名付けることにしました。
頭蓋顔面発育不全に見られる症状
頭蓋顔面が劣成長になることによってみられる症状と、劣成長になる主な原因(低位舌・口呼吸)により見られる症状を挙げていきたいと思いますそれぞれ詳しくご説明しておりますので、下記リンク先よりご覧ください。
治療費について
※下記すべて税込となります。また治療期間、回数はあくまで目安で症状により変動します。
(目安治療期間:24ヶ月~ 治療回数:24回~)
名称 | イメージ | 特性 | 料金(税込) |
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矯正相談 | 小児矯正についての相談をお受けします。 | 無料 | |
精密検査/診断費 | レントゲンや模型などの資料を取り、診断をして、診断結果を患者さまにお話しするまでにかかる費用です。 | 11,000円 | |
小児矯正 | 乳歯と永久歯が混在している時期に行う治療です。かみ合わせやあごの形、大きさを整え、永久歯がきちんと生えそろように誘導する治療です。 |
330,000円 【側方拡大】 【側方・前方拡大】
【拡大装置2個目が必要な場合】 【Myobrace破損・紛失時】 |
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成人矯正 |
歯にブラケットを貼り付けて歯を動かす方法です。一般的な大人の成人の矯正治療です。 |
880,000円 | |
調整費 |
矯正治療の管理・経過観察・装置の調整など |
小児・成人ともに 5,500円 (通院中:1回/1ヵ月) |
※保険治療は含まれておりません。(例:虫歯治療・抜歯・クリーニングなど)
調布市で発育にも配慮した小児矯正なら、当院にお任せください
当院で行っている「予防型早期矯正治療」は従来の小児の矯正治療とは、まったく異なるものです。従来の矯正治療のように、抜歯して無理やり歯並びだけをきれいにするのではなく、自然な顎の成長を促すことにより、歯並びをはじめ、健康な身体づくりをするための、素晴らしい治療です。お子さんの歯並びが気になる方で調布市の矯正歯科で小児矯正治療をご検討中の方は、ぜひ一度相談にいらしてください。