歯茎の腫れの原因が悲しい結末に
投稿日:2023年6月23日
カテゴリ:根管治療
下の奥歯の歯茎が腫れて当院に来院された患者さんがいらっしゃいました。
以前からたまに歯茎が腫れたり違和感を感じていたようですが、近くの歯医者に行くと噛み合わせだけ調整をされて薬を出してもらって、積極的な治療は行われなかったそうです。
実際に噛み合わせを調整し薬を飲むと症状が落ち着いていたので、そのまま放置していました。
ただ、このまま放置するわけには行かないと思い、根の治療に特化した医院を探して、当院に来院されました。
お口の中の写真です。
歯の下の歯茎が赤く腫れています。ここからニキビみたいに膿が出てきます。
今回の診断の結果、根尖性歯周炎と判断しました。
根尖性歯周炎は歯の内部で細菌が増殖し、根の先で炎症が起こる病気です。場合によっては痛み、膿を溜めて歯茎が腫れることがあります。
治療法は根管治療という歯の内部の細菌を取り除くことで治癒を図ります。
薬を飲めば一時的に細菌を減らすことはできますが、歯の内部までは到達できません。
よって、またすぐに細菌が繁殖し悪化します。そして、腫れや痛みが落ち着いた時があってもそこに細菌は存在し続けて、どんどん歯の内部へ進行してしてしまいます。早めの治療の方が治る可能性は高くなります。
根管治療について患者さんに説明し、治療を開始していきました。
当院では治療前に患者さんに必ず説明することがいくつかあります。
それは、根管治療は歯を残しながら細菌を除去する方法ですが、あまりに細菌の進行範囲が広すぎた場合は歯ごと細菌を除去する方法を選択します。
これは歯を残しながら細菌を除去することが難しかったら抜歯を行います。ということです。
そして、歯にヒビが大きく入っている場合も同様に抜歯します。ということを伝えます。
ヒビが入っていると、いくら内部の細菌を除去してもヒビから細菌がどんどん侵入して治ることはありません。この場合も歯を抜くことが第一選択になります。(例外もあります)
根管治療を行なったからと言って絶対に治るというわけではありません。
そのために、なるべく歯を残しながら治療を普段から行うことで歯を長期的に保つことができます。
先ほどの歯を上から見た写真です。
被せ物を外しました。周囲が汚れています。
歯の内部を見ていきました。
マイクロスコープで拡大してみるとヒビが見つかりました。
他の部位にもヒビが見つかりました。
二箇所のヒビはおそらくつながっていると考えらえれ、この歯は保存することは難しいと判断しました。
患者さんにもこの画像を見てもらいながら説明を行います。
抜歯になることは残念でしたが、実際に歯の内部やヒビを見ることができたので患者さんも納得してその後の治療を受けていただきました。
当院では歯科治療で大事なのは、診断と説明だと感じているのでしっかり時間をとって納得のいくまで患者さんと話をしています。
根管治療でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。
■ 他の記事を読む■