歯の神経を抜く前に歯髄電気診断等の検査を行います

投稿日:2022年2月14日

カテゴリ:根管治療

抜髄

虫歯が原因で、眠れないくらい歯が痛くなったり、冷たいものや熱いものでジーンと歯が痛んだり、噛むと痛くて食事ができない、というような症状の時に行う治療の一つに、抜髄という治療法があります。

歯は、全部が硬いものではなくて、表面がエナメル質、一つ内側に象牙質、中心に歯髄という神経と血管の集合体があります。

エナメル質、象牙質という硬い殻の真ん中に空間があって、そこに柔らかい歯髄が存在するというイメージです。歯髄は歯に栄養を与えるだけでなく、さまざまな感覚を脳に伝える役割があります。

しかし、虫歯が大きくなった場合、細菌が歯の内部へどんどん侵入していきます。

もし、歯髄まで細菌が到達してしまうと、細菌は一気に歯の根の方まで進行します。その時に歯髄は細菌によってダメージを受けてしまいます。例外を除いて歯髄を除去しない限り細菌を取り除くことはできません。放置してしまうと、どんどん細菌が増えていき、根の先で膿を作ったり、歯がボロボロになって抜歯になってしまいます。

これを防ぐために、感染した歯髄を除去する、歯の内部から細菌を取り除くということで、神経を抜く抜髄)という治療を行います。

この抜髄を行う前に診査が必要になります。

神経は抜いてしまったら戻ってくることはありません。慎重に行わなければならないです。

そして、神経がダメージを受けて、抜髄が必要かどうかの診断は非常に難しいです。

虫歯の詰める治療や歯髄を保存する方法が可能なのか、抜髄しないといけないのかの判断はとても難しいです。これは歯髄が正常かどうかは、歯を抜いて顕微鏡で確認しないといけないです。しかし歯を抜いたら本末転倒です。

なので、さまざまな検査を行い多角的に判断し、抜髄が必要かどうか判断することが重要です。しかし一般の歯医者さんでは、検査を行わずに、先生の経験での診断が多いのが現状です。これはとても危険なことで、神経を取る必要のない歯を抜髄している可能性がとてもあります。神経を残せる歯なのに少し怪しかったら抜髄しているケースはがあるということです。もちろん、診査をしっかり行っている医院や、正確な診断をされている医院が多く存在するでしょう。
当院では、歯の神経の状態の確認に冷試験というものを行っています。

冷たい道具を当ててその反応を時間を測って確認します。

他には歯髄電気診断を行います。

微弱な電気の刺激を歯に流して、神経が反応しているかどうかを確認していきます。そして、レントゲンをとったり、歯茎の検査(プロービング)を行い判断していきます。

他にも必要なケースは熱刺激や麻酔を行ったりするこで少しでも情報を多くして、抜髄が必要かどうかを判断します。

歯の神経は簡単に取り除いていいものではありません。だからと言って残せない神経を残すと言うのも間違っています。

正しい検査をおこない、患者さんの症状をしっかり聞いて、それらを総合的に判断し、神経が残せるか残せないかを診断して、患者さんに説明する義務が我々にはあると思っています。

歯の神経のことや、根管治療でお悩みの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。