一度治療した歯がなぜ再治療になるのか?
投稿日:2022年2月12日
カテゴリ:根管治療
再根管治療についてお話しします。
虫歯が大きくて神経をとる治療を抜髄(歯内療法:根管治療)と言います。
根管治療
歯に汚れがたまると細菌が集まり、歯をとかします。だから歯を磨いて細菌が集まらないように清潔にします。しかし、ある程度の大きさの虫歯ができて、穴が開くと、その穴に汚れが溜まり、歯磨きでは汚れが取れないようになります。そうすると、汚れは何日も、何ヶ月も、何年も停滞し続けて、歯の内部は溶けてどんどん進行していきます。歯の中心部分には神経が通っていて、空間があります。その神経の詰まっている空間、管に細菌が入ってしまうと、今度は歯の根っこの方に細菌が進み、骨の方まで進行して膿を溜めて、痛みが出たりします。この時に行う治療が根管治療です。
根管治療は、歯の内部の細菌を物理的に除去したり、お薬を使って殺菌して、綺麗にすることで治す治療法です。歯の内部が綺麗になったら、蓋をして被せ物をすることで噛めるようにします。
ただ、根管治療は一般の歯医者で沢山行われる治療なのですが、とても難しい治療でもあります。
痛みをとることに成功しても、細菌は残っていたり、再感染して、数年後に再度痛みが出たり腫れてきたりすることはとても多いです。割合としては日本の保健治療の3〜5割くらいしか、成功しないというデータも出ています。
では、なぜ、再根管治療が必要になるのでしょうか。
その理由は、細菌の取り残し、治療中の細菌感染、治療後の細菌感染などが挙げられます。
細菌が原因なので、治療しても細菌が残っていたり、細菌の侵入を抑えていないと再度治療が必要になります。
この写真の患者さんは、数年前に根の治療をして被せ物を行いました。
治療後に痛みもなく、全く問題なく噛むことができていました。本人としてはしっかり磨いて、綺麗に維持できていると思っていました。しかし、ここ数ヶ月噛むと痛みが出たり、疼いたり違和感があったりと、少し不調を感じはじめました。
当院でレントゲンなどの診査を行ったところ、根の先に膿が溜まっていたため、感染根管治療が必要と判断しました。
被せ物を外していきました。
被せ物を外してみると、内部には歯と金属の土台とセメントが見えてきました。
ここでよく観察すると、黄色矢印は汚れが溜まっているところです。そして、白い矢印は金属とセメントの隙間で黒くなっているのがわかります。おそらく、黄色い矢印のあたりで細菌が繁殖し、白い矢印の方まで細菌が侵入しているのだと思います。さらに金属の土台を外していきました。
外すと案の上黒く汚れていました。
横に白く線になっているのは削ったので内部のセメントが見えています。本来は、黒くなっているところ全て白い材料のはずです。かなり変色しているのがわかります。
これが細菌の侵入です。磨けていると思っても段差に汚れが溜まり、内部に細菌が侵入して、どんどん繁殖して蝕んでいきます。
根管治療は治療自体も難しいですが、その後の被せ物の適合性や、患者さんの歯磨きの仕方によって再度細菌感染してしまうので、成功率が低いのだと感じます。精密な治療をして、自分でしっかり磨いて歯を長持ちさせましょう。
当院や根管治療に特化した医院で成功率8〜9割以上出せるのは、マイクロスコープやCT、ラバーダムはもちろん、正しい知識や精密な技術の上に成り立っています。
根管治療でお悩みの方は被せ物に違和感などある方で調布市の歯科医院のお探しの方は、柳沢歯科医院にご連絡ください。
■ 他の記事を読む■