下の奥歯の難しい根の形態
投稿日:2022年2月7日
カテゴリ:根管治療
歯内療法
歯科治療には、歯内療法という歯の内部の治療があります。
虫歯が大きくなって歯の中の神経の通る管の中に細菌が侵入して病気になった場合、神経ギリギリまで虫歯になった場合などに行う治療法です。
歯内療法には根管治療や外科的歯内療法、歯髄温存療法など様々あります。
今回お話しするのは根管治療についてです。
歯の内部に虫歯などによって細菌が繁殖し、歯茎が腫れたり、根の先に膿が出たり、噛んで痛い状態の病気に行う治療です。
根管治療は歯の根の内部を綺麗にして細菌の数を可能な限り減少させて、封鎖することで治癒を図る治療です。
ただ、小さい歯の内部を綺麗にするのはとても難しく、成功率が低いのが現状です。
歯が小さいのも難しい理由の一ですが、歯の根の形態や、歯の根の本数、口を開けられる量、歯の部位など様々な条件で難易度が極端に変わります。
この写真は下の一番奥の歯の被せ物を除去したところを拡大して記録したものです。
根の穴の中に昔に治療した封鎖するお薬が入っています。
まずはこの材料を除去していきます。
除去している途中の写真です。
今までのブログを見た方はお分かりいただけると思いますが、この歯の内部の根の穴がはっきりとしません。他の部位の根の穴は1、2、3箇所というのがはっきりわかります。
これは根の穴が繋がって長い英語のCの逆向きのような形になっています。歯の根の穴は、丸であったり楕円形だったりしますが、この歯は根の穴が押しつぶされて何個も穴が繋がったような状態です。
この歯は樋状根という特殊な歯の形態で、日本人は下の一番奥の歯の30%が樋状根であるとというデータがあります。かなり高頻度に存在するのがわかります。
奥の歯は道具も届きづらく、お口を開けているのも大変で、治療が困難です。再治療も多いですし、すでに他院で抜かれてしまっている場合も多いです。
洗浄液や、超音波の道具で内部を綺麗にしていきました。大分形がはっきりしてきました。穴というには形が湾曲しています。湾曲している歯はとても洗浄しづらいです。
コップなどの洗い物でもそうですが、形が複雑な洗い物って、汚れが取れているかはっきりわからないですよね。当然シンプルな形に比べると洗いにくいし、汚れが残っているのがわかると思います。
このような根管治療はCTで三次元的に確認をして、マイクロスコープを使用して、ラバーダム防湿を行って治療をしないと成功率は当然低くなります。
当院の根管治療は徹底したラバーダムとマイクロスコープを使用しており、必要であればCTを撮影して治療を行っています。(全ての方に撮影は行っておりません。被曝量を気にされる方は相談いたします)
下の奥歯の治療、根管治療でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院へご連絡ください。
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