歯根破折の診断
投稿日:2021年1月11日
カテゴリ:根管治療
根にヒビが入ることがあります
特に、神経の治療済みの歯で起きてしまうことが多いのですが、歯根にヒビが入ってしまうことがあります。この状況を「歯根破折」と呼びます。
この歯根破折は、とても厄介で、起きてしまうと、そのヒビの内部に細菌が侵入し、感染し、痛みや歯茎の晴れの原因となります。
ここでは、実際に、どのように診断するのか、提示致します。
70歳代の男性の患者さんです。左下からの歯茎から血が出る、とのことで来院されました。
マイクロスコープで歯根の表面をみると、ヒビのようなものが入っていました。
→で示した部分です。
この辺りの歯周ポケットの深さを測定すると、
測定する器具(プローブと呼ぶ)が一部だけ、ズブズブっと深く入り込んできます。
これを取り除くと、歯茎の内部から、出血を膿が出てきます。
レントゲン写真を撮影すると、この根を取り囲むような透過像が見られました。
ここまで、はっきりした診査結果が出ると、歯根破折は濃厚です。膿や出血の原因は、おそらく、この内部に入り込んだ細菌感染です。この細菌感染は、歯ごと取り除く必要があります。つまり、抜歯の適応です。これは、根管治療に特化した先生であればあるほど、抜歯の傾向が強いです。
もちろん、歯を残すために、根管治療に力を入れている先生に見てもらうとは思いますが、このようなこともあることを、知っておいて頂きたいのです。
柳沢歯科医院
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