歯茎の腫れで抜歯と言われた歯の内部

根管治療はなにをしているのか？

歯科の治療の大きな目的の一つは「歯にこびり付いた細菌感染の除去」です。この感染を「歯を残しながら感染を取るのか」、はたまた「歯ごと汚れを取るのか」というのが一つの分類になります。

歯科治療の代表例である「根の治療」と呼ばれる根管治療は、歯を残しながら、「歯の内部にこびり付いた細菌感染の除去すること」が目的です。これにより、歯とその周囲の組織の健康を守ります。

他院で抜歯と言われた上顎の前歯

当院に来院された患者さん。話を伺うと、他院で、「歯茎の腫れているので抜歯」と言われたそうですが、諦められず、当院を受診したとのことです。診査の結果、十分に保存できると判断し、根管治療を行いました。

ラバーダムをして、マイクロスコープの内部を確認した際の写真です。一目瞭然、こんなにも汚れていました。

さらに、根の先の部分に充填してある材料を、ドリルで取り除きました。

すると、さらに汚れが出てきました。この後、よく洗い、キレイにした後、最終的な材料として、MTAセメントを内部に詰めました。

治療後、腫れは治り、無事に歯を保存することができました。

まとめ

「抜歯」。つまり、歯にこびり付いた細菌感染を歯ごと取り除くのは、決して間違った方法ではありません。現に、当院でも抜歯を行います。しかし、もしかすると、その抜歯と診断された歯は、保存できるかもしれません。

このような、マイクロスコープを用いた精密な根管治療で、歯の保存を強く願い方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院