根の治療が治らない場合の奥の手 歯根端切除術
投稿日:2017年8月31日
カテゴリ:根管治療
根の治療は汚れを取り除く治療
根管治療と呼ばれる根の治療は、その歯の内部から汚れを取り除き、歯の健康を保ち、大きな虫歯になってしまった歯を長持ちさせる治療です。
すべての汚れは取り除くことはできない
しかし、一度歯の内部に入り込んだ汚れをすべて取り除くことはできません。なぜなら、歯の内部は複雑な形をしているからです。また、根の先の外がわに飛び出してしまった汚れを取り除くことも不可能です。
治らない場合の奥の手 歯根端切除術
このような理由で、根の治療は精度よく行ったとしても、痛みや腫れが治らず、上手くいかないことがあります。このような場合には、抜歯を行うこともありますが、根管治療専門Dr.は「歯根端切除術」と呼ばれる処置を行います。これは、歯を残しながら、取りきれなかった汚れを取り除く手術です。
歯根端切除術を行った症例
初診時のレントゲン写真です。虫歯が大きく、歯茎も腫れていました。診査の結果、根の治療が必要と判断し、行いました。
術後2ヶ月のレントゲン写真です。根の先の炎症が治りません。
歯茎も腫れています。
この時点で、通常の根の治療では汚れがすべて取りきれないと判断し、歯根端切除術を行うことになりました。
歯茎の裏側を見ると、こんなに骨が溶けています。根の先の炎症は恐ろしいですね。根の表面を確認すると、黒い石のようなものがへばりついています。これは、歯石です。これが、今回の症状の原因です。
マイクロスコープを用いて、処置を行います。まずは、根の先をカットします。と、同時に歯石も取り除きます。
そして、その他に汚れの取り残しがないか、確認します。
取り残した汚れがないことを確認したら、今度は、根の先から、薬をつめるための器作りを行います。
その器の中に、MTAセメントと呼ばれる材料を入れます。
この後、歯茎を縫い、終了です。
術直後のレントゲン写真です。
術後1年です。歯茎の腫れも治り、レントゲン写真でも、根の先の炎症が格段になくなっているのがわかります。
白いかぶせ物を装着して、終了です。
実際の処置の動画を提示致しますので、ご覧ください。
まとめ
根管治療を呼ばれる根の治療は非常に難しい治療です。さらに、この難しい治療が上手くいかないと、多くの歯医者さんはどうして良いかわからなくなります。ですが、今回提示致しました「歯根端切除術」を行うことにより、その問題を解決できるのです。
この治療を、マイクロスコープ、そしてMTAセメントも用いて行うことにより、通常の処置よりも、格段に成功率を高めることができ、歯を保存することができるのです。
柳沢歯科医院
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