歯並びが悪いと睡眠の質が悪い?
投稿日:2017年8月15日
カテゴリ:小児矯正
歯並びが悪くなる原因は?
歯並びと睡眠の関係の話をする前に、歯並びが悪くなる原因のおさらいを。歯並びが悪くなるのは、歯が生える土台となる顎の成長不足です。その顎を成長させる筋肉、つまり「舌」が上手く働いていないから、顎が成長不足になり、結果的に歯並びが悪くなるのです。さらに、舌がうまく機能するためには、口が閉じ、鼻呼吸をする必要があるのですが、口がポカンと開き、口呼吸していることも合わせて、顎の成長不足の原因となります。
まとめると、口がポカンと開き、口呼吸しているため、舌がうまく機能しないため、顎が成長不足になり、結果的に歯並びが悪くなるのです。
歯並びの悪さが睡眠の質に影響するメカニズム
ヘモグロビンから酸素がうまく離れない
口呼吸していると、体から二酸化炭素が多く出て行ってしまうのですが、この二酸化炭素がなくなることが問題です。血液の酸素を身体中の細胞に送るのがヘモグロビンですが、このヘモグロビンから酸素を切り取る「はさみ」の役割を果たしているのが、二酸化炭素です。二酸化炭素が身体から少なくなると、ヘモグロビンから酸素がうまく離れず、細胞にうまく栄養が行き渡らなくなります。結果、寝ていても、細胞に酸素が行き渡らないため、睡眠の質が落ちます。
いびき・睡眠時無呼吸症候群
顎の成長が悪いと上顎に舌のスペースが無くなるため、舌は行き場を失い、舌に下がります。すると、気道をふさぎ、呼気が通るスペースがなくなります。これが、いびきや、睡眠時無呼吸症候群の原因となるため、酸素が身体にうまく入り込まず、結果、うまく睡眠をとることができません。
まとめ
このように、「歯並びが悪い」ことと、「睡眠の質が悪い」ことは大いに関係があります。睡眠の質が悪いことは、多動や集中力の欠如、成績の低下に繋がります。目元にクマを作っている子供が多いですが、この子たちの多くが歯並び、そして顎の成長が悪いため、うまく呼吸、睡眠を取ることができていません。
このようなことを意識して歯並びの治療を行ってる歯医者さんは本当に少ないですし、お医者さんもこのことに気がついていないようです。これからの矯正治療は、ただ単に機械的に歯並びをきれいにするのではなく、成長期の子供たちが自分の力で顎を成長させる手助けをする治療にしなければなりません。
このコンセプトをもとに行う矯正治療が、これからの子供たちを病から救い、人生を変えるのです。
柳沢歯科医院
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