左下7 近心根管の探索
投稿日:2017年7月13日
カテゴリ:根管治療
その治療している歯固有の形・特徴
根管の解剖は、その治療している歯固有のものであるため、治療している歯すべてが違う形をしています。そのため、(どの歯にもある程度の共通していることはありますが)それぞれの歯で、どのような形をしているか、診断しなければなりません。
解剖の診断ツール「マイクロスコープ」
しかし、根管の内部は、肉眼で確認することは困難なため、解剖学的な診断は非常に難しいのです。そんな時に、力を発揮してくれるツールが「マイクロスコープ」です。このツールにより、根管内を拡大して確実に観察し、診断することが、根管治療を成功に導くための重要なポイントです。
マイクロスコープがなければ難しかった症例
左下7の根管治療の症例です。
ラバーダムをし、根管内をマイクロスコープで拡大して観察すると、
2根管かな、と思いました。写真右下が近心根管ですが、この根管は通常2根管のことが多いので、探索していきます。
超音波チップで拡大し、
1根管発見しました。しかし、感覚的に、根管が外側を向いていたので、この根管の隣に、もう一つあるのでは、と疑い、もう一つあるかどうかも、探索をしました。
超音波チップで根管の入り口を広げます。
すると、予想通り、もう一つありました。
最終的に2根の拡大が完了した時点の写真です。
実際の動画を提示致しますので、ご覧ください。
まとめ
根管治療において、根管内の解剖学的特徴を把握できないことは、致命的です。なぜなら、見落としてしまう根管があるからです。根管を見落とすということは、根管内に取りきれるはずの感染を、取り残してしまう、ということです。つまり、根管治療の失敗に直結します。
根管内の解剖の特徴を掴み、すべての根管を処理し、感染を取り除くことが、根管治療を成功へと導く大事なポイントですが、このことを確実に行うために、マイクロスコープを必須です。
もう、マイクロスコープなしの根管治療は考えられません。
柳沢歯科医院
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