抜髄か、歯髄保存療法か
投稿日:2017年7月12日
カテゴリ:根管治療
抜髄とは?
いわゆる神経を取る処置、根管治療のことです。歯にとっては、ダメージはありますが、虫歯が大きいときなど、必要な場合には、確実な治療を行い、歯の健康を守る必要があります。
歯髄保存療法とは?
神経を残す処置のことです。虫歯が大きく、神経が外にむき出しになった場合にその部分にMTAセメントなどの人工物をつめることに、むき出しになった神経を保存する治療です。神経を残すことにより歯の寿命を延ばすことができますが、神経がどの程度ダメージを受けているのか、治療中はわからないため、不確実な面もあります。
抜髄か、歯髄保存療法か、の選択基準
神経がむき出しになった場合、その神経が抜髄すべき状況なのか、保存できる状況なのかは、確定させることは不可能です。そのため、抜髄か、保存療法かの選択基準は、痛みの有無、痛んだ場合の感じる長さ、神経からの出血の状態、などがあげられます。
抜髄を選択した症例
最近、来院された虫歯治療をした患者さんで、神経を保存せず、抜髄を選択した症例を提示致します。
右下がジンジンするとのことで、来院されました。診査をして、レントゲン写真を撮ると
右下7のインレーの下が虫歯になっていました。
これを外し、内部を見ると、
大きな虫歯になっていました。
この虫歯を、マイクロスコープを用いて取り除きました。
すると、神経がむき出しになりました、それほど大きい虫歯でした。残りの虫歯を取ると、
強く出血しました。神経を保存したかったのですが、ジンジンする痛みの既往があること、出血が多いことから、抜髄することにしました。
上部の神経を取り除いたところです。
この処置の一連の動画を提示致しますので、ご覧ください。
まとめ
可能な限り、神経は保存したいですが、このように仕方なく神経を取る症例もあります。しかし、仮に神経をとることになったとしても、その後の根管治療、支台築造、歯冠補綴を確実に行いことにより、治療した歯の健康を高い確率で守ることが可能です。なぜなら、この時点で確実な治療を行えば、その治療の成功率は100%に近いのですから。
柳沢歯科医院
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