左上犬歯のファイバーポストによる支台築造とCR充填

投稿日:2017年7月4日

カテゴリ:根管治療

左上犬歯の根尖性歯周炎の治療

今回の患者さんは左上犬歯に根尖性歯周炎があり、根管治療を行ったケースです。

歯茎に腫れが認められます。

レントゲン写真でも、根の先に炎症があることがわかります。

ラバーダムをして、根管治療を行いました。

根管充填後のレントゲン写真です。

これが前回までの治療の流れです。

 

ファイバーポストを用いた支台築造とCR充填

根管治療後に、この歯を健康な状態で機能させるために、修復処置を行いますが、このケースでは、ファイバーポストを用いた支台築造、そして、コンポジットレジンによる修復治療を行いました。

ラバーダムを行った後、根管内に敷き詰めた水酸化カルシウムを取り除きます。

このあと、隔壁に使ったレジンを一層削り、新鮮面を出します。

さらに、歯の内部をきれいにするために、クエン酸にて根管内の異物を取り除きます。

さらに内部の表面処理を行います。

このあと、根管内に挿入するファイバーポストを挿入し、シミュレーションをします。

最終的なレジンが接着するように、根管内にボンディングを塗布します。

光照射したあと、レジンを流し込みます。

最後にファイバーポストを挿入し、レジンを硬化させます。

この一連の治療を動画で提示します。

このあと、コンポジットレジンにて修復処置を行いました。

これが修復直後の写真です。失活歯なので、色は多少茶色くなっていますが、きれいにコンポジットレジン充填ができました。また、明らかな歯茎の腫れも無くなっています。

術前の写真と比較すると、一目瞭然です。再発の可能性も考えられますが、今の所、根管治療が成功したと言って良いのではないのでしょうか。

全体を写真を見ても、違和感はないと思います。

 

まとめ

犬歯の形が特殊なため、また、噛み合わせが難しいため、通常はクラウンにて修復することが多いですが、今回は患者さんの希望で、コンポジットレジンにて修復しました。

また、ファイバーポストによる支台築造も、マイクロスコープを用いて、可能な限り精密に行いました。

これらの処置の精度により、この根管治療を行った歯の寿命が左右されると言っても過言ではないでしょう。それほど、支台築造と歯冠修復は、根管治療において大切な処置です。

今回治療した、この左上犬歯が、長い間、健康な状態で保たれること、心から願っています。

柳沢歯科医院