マージンの適合性の重要性

自分のブログでたびたびご説明してきたマージンの適合性(歯にクラウンやインレーがどれだけピッタリ装着されているか)ですが、今日もある患者さんのマージンの適合性の悪いクラウンを外したのですが、やはり虫歯になっていました。マージンの適合性の重要性を改めて感じましたので、これがなぜ重要なのかをまとめます。

マージンの適合性が良いことのメリット

虫歯を防ぐ

歯に段差がないため、プラークが溜まらず虫歯になりにくいのです。一度虫歯になった歯はただでさえ虫歯になりやすいので、補綴物で歯を守る必要があります。

根尖性歯周炎を防ぐ

根の先の炎症のことですが、これは歯の内部に入り込んだ細菌が原因です。根管治療を行った歯が、再度根尖性歯周炎にならないよう歯を守るためには、マージンの適合性の良いクラウンを装着することが必須です。

歯周病を予防する

歯周病の原因はプラークが原因ですが、補綴物と歯の間に段差があると、歯ブラシでは汚れが取れず、汚れが溜まり続けます。すると、歯周病になっていまいます。このような状況を作り出さないためにも、マージンの適合性を良くする必要があります。

歯根破折を予防する

マージンの適合性が良いと、クラウンが土台となる歯に、うまく力を伝えることができます。そのため、歯根が割れてしまうリスクを軽減することができます。

マージンの適合性が悪いということは、上記のリスクがある、ということになります。

マージンの適合性を良くするために必要なこと

型取り、歯の形を整える、などの補綴物を作成する上で踏むべきステップを確実に踏むことがなにより大切です。これには、それだけの技術と、時間、そして良い材料が必要になります。また、補綴物を作成する技工士さんも、時間と技術が必要になります。

結果的に自由診療でないと困難な歯科治療

このような背景から、国民保険診療の報酬では限界があります。すべての国民がある一定レベルの医療を受けることのできる制度である我が国の国民健康保険は素晴らしい制度である一方、これら歯を守るための治療をすることは困難なのです。

そのため、患者さんの歯を本気で守る補綴物を作ろうとするならば、結果的に高額な自由診療にならざるを得ないのです。

白いもの、保険適応外の材料を使う治療が自由診療ではありません。治療している歯を最大限に守る治療が自由診療なのです。

みなさんのクラウンは大丈夫ですか？

これがマージンの適合性の悪いクラウンです。このような補綴物では、歯を守ることはできません。

歯は、一生ものです。もしも治療が必要になった場合は、マージンの適合性の良いクラウンを装着しましょう。確かに、高額な治療ではありますが、一生のことを考えると決して高額であるとは思いません。それだけ、歯を重要ですし、歯を失って困っている患者さんを数多く見ていると、なおさら強く思います。

当院では、歯の健康を守るため、クラウンマージンの適合性にこだわった治療を行っておりますので、調布市の歯医者をお探しの方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院