根管治療において大切なこと　根管内洗浄

根管内洗浄とは？

歯の根の内部の管「根管」の汚れを殺菌効果の強い液体で洗い流すことです。

これは歯のレントゲン写真ですが、歯の内部にあるアルファベット「H」の形をしている黒い部分に歯髄と呼ばれる歯の神経が入っていて、このうち根の内部に存在する細い管が根管です。

根管内洗浄の重要性

「根管拡大のみでは、多くの汚れ、細菌の取り残しがある」ということは、科学的なデータで証明されていますが、それは、複雑な根の内部では、多くの凸凹があり、根管拡大を行うツール「ファイル」だけでは取りきれないからです。

その取りきれなかった汚れを、洗い流す目的で行うのが、「根管内洗浄」です。

根管内洗浄で用いる薬液

様々な種類の薬液がありますが、ここでは、当院で使用しているものを紹介致します。

次亜塩素酸ナトリウム

多くの歯科院で使用されている世界で最もスタンダードな洗浄液です。根管内の細菌を殺す殺菌作用と、歯髄などの有機質を溶かす作用を持ち合わせています。

EDTA

根管の壁をけずった時にできるカスなどの、無機質を溶かす作用があります。

根管内洗浄を行っている動画

根の内部を洗浄しているところを撮影した動画です。

洗浄液は細いニードルから出ます。

この先端を拡大すると、

先端の両サイドに穴があいています。刺激の強い洗浄液が外に漏れないように工夫しています。

これに加えて、さらに細い器具を根管内に挿入し、細い振動を与えて、洗浄液が根管の凸凹している部分の隅々に行き渡るようにします。

実際の動画です。

この「イリセーフ」と呼ばれる器具を根管に挿入し、振動させることで、洗浄液に水流を生じさせ、温度を上昇させることにより、洗浄効果を向上させます。

まとめ

根管拡大に加えて、根管内の洗浄を行うことにより、根管内の細菌、汚れを確実に減少させることができます。この根管治療の本質である「細菌の減少」を達成し、根管治療を成功させるためには、根管内洗浄が不可欠です。

柳沢歯科医院