根管治療において大切なこと 術前の麻酔
投稿日:2017年5月8日
カテゴリ:根管治療
麻酔の必要性
歯科治療は痛みを伴う治療です。そのため、治療中に痛まないよう麻酔をします。
歯髄への刺激は激痛を生む
虫歯や外傷により歯髄を取り除く治療が、根管治療ですが、その際、歯髄に刺激を与えるので、麻酔なしでは激痛を伴います。そのため、麻酔を行います。
麻酔をするその他の理由
歯肉を圧迫するときの痛みを感じなくさせる
治療の際に、歯肉の出血が治療を妨げることがあります。この出血を抑えるために歯肉を圧迫して、止血することがありますが、この際に痛みを感じるので、この痛みを麻酔で感じなくさせる必要があります。
止血剤を染み込ませた綿球で歯茎を圧迫しているところの写真です。
歯周ポケットからの出血や体液を抑えるために、糸を巻いているところの写真です。
糸を巻き終わったとこらの写真です。
このような作業のときに歯肉を触る痛みを感じるため、麻酔が必要です。
ラバーダムクランプの痛みを感じなくさせる
根管治療を行う際には、ラバーダムが欠かせません。
これがラバーダムです。ゴムのマスクのシートを装着して治療を行いますが、この装置を歯にとめておく金具があります。
これがその金具です。名前は「ラバーダムクランプ」と言います。これを歯にかける際に、歯肉に当たり痛むことがあります。この痛みを感じなくさせるために麻酔を行います。
歯髄壊死と診断した歯の痛みを感じなくさせる
歯髄が感染により死んでしまった状態のことを歯髄壊死と呼びますが、この際にも麻酔を行います。なぜなら、臨床的に「歯髄壊死」と診断しても、まだ、歯髄が残っていて、痛みを感じる場合があるからです。
再治療時の痛みを感じなくさせる
以前に神経を取り除いた歯の根管治療を再度行うことが多々あるのですが、当院では、この再根管治療のときも麻酔を行っています。理由は、まだ歯髄が残っている可能性があること、また、歯の内部から外側の組織を触る可能性があり、このときに、それらの組織に刺激を与えることにより痛みを伴うことがあるからです。
根管充填時に発生する痛みを感じなくさせる
当院では、熱を用いた方法により根管充填を行っておりますが、この際に発生する熱により痛みを感じる場合があります。この痛みを感じなくさせるために、麻酔を行っています。
これらの理由から、ほぼ全ての根管治療の際には麻酔を行っています。
麻酔時の時の痛みを感じなくする工夫
麻酔の針を刺す際の痛みを感じなくさせるために、表面麻酔を行っています。
この表面麻酔を歯肉に効かせた上で、麻酔を行います。これにより、麻酔時に感じる痛みを少なくします。
また、麻酔液もゆっくり注入し、痛みを感じないようにします。
このように、麻酔をする際の痛みを極力感じないようにするための工夫を行っています。
まとめ
根管治療は、どのような場合でも、痛みを伴う可能性のある治療です。当院では、痛みの少ない根管治療を実現するために術前の麻酔を行っております。
柳沢歯科医院
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