虫歯を見つける染め出し液を使用しています。

投稿日:2024年7月31日

カテゴリ:虫歯治療

虫歯の診断は実は難しいです。

まずう蝕(虫歯)の状態は5段階に分けることが出来ます。

C0は初期う蝕といい、基本的には削らずにフッ素塗布などを行い、様子を見ていきます。汚れなければ、そのまま虫歯が進行せずに、歯を維持することが出来ます。

C1,2は虫歯を削って詰めていきます。

C3は神経まで細菌が侵入しているため、根管治療(根の治療)が必要になります。

C4は根管治療か抜歯が適応になります。

 

今回のテーマはC2の虫歯についてです。

神経までは到達してないが、象牙質まで虫歯が進んでおり、治療を行わないと、そのうち神経まで細菌が進んでしまう状態です。最初の虫歯治療や詰め物が取れた後の治療がこれに分類されることが多いです。

C2の虫歯

治療法は、虫歯を取り除き、空いた穴を詰めることが第一選択になります。

ここで、論点になるのは、虫歯をどの程度取り除くか?ということです。

実は、虫歯治療で虫歯を取り除く範囲は歯科医師によって全然違います。

大きく取り除き可能な限り虫歯を取り残さないようにする、なるべく歯を削らないように虫歯も最小限で削るというように、しっかり削る人と少なく削る人がいます。

しっかり削る人は、虫歯の取り残しが少ないので再発のリスクは少ないです。しかし、深く削って神経を傷つけてしまうリスクがあります。

逆に歯を最小限に削る場合は、取り残して再度虫歯になって最初の状態よりひどくなってしまうこともあります。

実際、虫歯が小さいのに神経を取ることになったり、歯をなるべく削らないようにして虫歯が再発している患者さんが当院にはよく訪ねてきます。

どちらもメリットデメリットがあるので、虫歯は取り残さないように削って、健康な歯質に近いところは削らないようにするのがいいと私は思っています。

虫歯の取り除く基準

虫歯の取り除く基準も実はたくさんあります。

1色

2硬さ

3う蝕検知液

4その他

基本的には色、硬さ、う蝕検知液を目安にするのがいいですが、う蝕検知液を使用する先生は少ないのが現状です。色と削った時の感覚で硬さを触知して判断している場合が多いです。

 

これは実際の患者さんの上の奥歯の写真です。

詰め物が取れて来院されました。

内部が黒くなっているのがわかります。

ただ、これはセメントが黒く変色しているのであって一般的な虫歯とは少し違います。

古いセメントを取り除きました。

意外に真っ黒な部分はありませんでした。しかし、真ん中に色が濃く、柔らかくなっているような状態でした。

確認のために、虫歯染め出し液を使用しました。

染め出し液を使用したあとの写真です。

真ん中が強く染まっています。他の部分はほとんど染まっていません。

染め出し液のメリットは、健康な歯質と虫歯を明確に分けてくれるところです。虫歯を可視化することができるのはもちろんですが、健康な歯質を削らずに済むのが歯を残す治療をしている私からするととても有用です。

デメリットは、準備する時間がかかる、洗う時に飛び散ることがあるなどです。

保険診療では、1分でも治療時間を減らしたいので、使用しない先生が多いです。

当院では虫歯治療では毎回使用していますが、虫歯治療にしっかり時間をかける余裕があるからというのもあります。

虫歯を削って白い詰め物できれいに充填しました。

白くてきれいと喜んでいただくことが多いですが、それよりも段差がないことがとても大事だと感じています。

段差がなく滑らかに充填することでその歯が長持ちできるからです。

虫歯は色と硬さと染め出し液など得られる情報をしっかり把握して削ることが大事です。

虫歯治療でお困りの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。